豚のかたまり肉で焼豚作り|基本の作り方とアレンジレシピ|飛田和緒さん
夏の疲れでぐったりしている今日この頃、積極的に食べたいのが豚肉!豚肉に豊富に含まれるビタミンB1は疲労回復効果があり、さらに、豚肉のたんぱく質は、エネルギーの源となるアミノ酸のバランスがよく良質。
バラ肉など脂肪が多い部位でも、さっぱり仕上げる工夫をすれば、食欲が落ちているときでもペロリと食べられるんです!スタミナ満点、残暑におすすめの調理法を大紹介します!!
豚かたまり肉の各部位の特徴
スーパーや精肉店で売られている「豚かたまり」には、さまざまな部位がある。もちろん、部位によって合う料理が違います。それぞれの特長を知って、メニューの参考にしてみて!
・肩:よく動く部分で筋肉が発達した赤身肉。硬めなので煮込み料理に◎。
・肩ロース:肩に近いロース肉。きめ細かさに加え、濃厚でコクがある。ソテーや焼き肉に。
・ロース:きめ細かく、適度に脂肪があり軟らかい。濃厚な旨みがあり、トンカツやローストポークに。
・ヒレ:脂肪がほとんどない棒状の赤身肉で、少量しか取れない貴重な部位。きめ細かくて軟らかく、トンカツの代表格。
・外もも:ももより硬く、きめが粗い。赤身であっさりした味。薄切り肉などに使われる。
・もも:赤身の代表的な部位。脂肪が少なくてきめ細かく、外ももより上質。ハムなどに加工される。
・バラ:脂肪と赤身が層になった、特に脂が多い部位で、角煮にぴったり。骨付きはスペアリブと呼ぶ。
夏の疲れを豚肉で回復!! ガッツリ かたまり肉をさっぱり味わう
かたまり肉は火が通るのに時間はかかるものの、鍋やオーブンにお任せすれば、ほったらかしておくだけで、おいしく仕上がるのがいいところ。多めに作っておけば常備菜にもなるので、時間のあるときに作っておくと便利です。
酸味や辛味を利かせれば夏のアレンジも自由自在。料理家の飛田和緒さんが基本の焼豚とアレンジレシピを教えてくれました。
「焼豚は、作業は簡単なのですが、時間がかかるので、必ず2本は作ります。1本はできたてを食べて、もう1本は保存しておき、お弁当や忙しい日のおかずに。余ったら、パンに挟むのもおいしいですね」(飛田さん・以下同)。
とはいえ、飛田さんちの焼豚は家族に大好評ですぐになくなってしまうそう。
「夏は自家製の梅干しと一緒に葉野菜で包んで食べるとさっぱり。濃厚な豚肉の旨みは、酸味や辛味の利いた味付けとも相性抜群です」
焼豚のさっぱり梅干し添え
豚肉と梅は疲れた体を内側から元気にしてくれる最強コンビです。肩ロースかたまり肉を使用して、梅の酸味で濃厚なのに重くないので、ペロリと食べられちゃいます。
<材料>(作りやすい分量)
豚肩ロースかたまり肉…500g×2本
水…2カップ
しょうゆ…大さじ4~5
白髪ねぎ・あさつき・しょうが・梅干し・葉野菜…各適量
<A>
にんにく(潰す)…2片
しょうがの皮…1個分
酒…1カップ
砂糖…大さじ3
<作り方>
【1】豚肉にタコ糸を巻く。ネット付きの場合はそのまま調理する。
【2】直径20~22cmの厚手の鍋に【1】を並べ、弱火にかける。脂が出てきたら中火にしてこんがり焼く(鍋に豚肉がくっつく場合は油適量を入れる)。肉から出た脂はペーパーで吸い取る。
【3】<A>と水を【2】に入れ、ふたをして40分ほど煮る。煮汁が少なくなったら水(分量外)を少しずつ足す。
【4】しょうゆを分量より少なめに加え、ふたを外して強めの中火で20分ほど煮詰める。味見をして足りなければしょうゆを足し、5分ほど煮て火を止める。
【5】鍋の中で冷まし、粗熱が取れたら糸を外し、好みの厚さに切って器に盛る。たれをかけ、白髪ねぎ、あさつきの小口切り、しょうがの千切りを合わせてのせ、梅干しや葉野菜と一緒に食べる。
自家製 焼豚のコツ
【1】こんがり焼き付ける
焼き色が付くまでいじらずそのまま焼く。いじりすぎると軟らかな脂の部分が崩れてしまうので注意。
【2】60分じっくり煮込む
砂糖をしっかり染み込ませてから、しょうゆで味を調える。この順で行うと煮汁の旨みが中まで入る。
【3】冷蔵保存で1週間
清潔な保存容器に切らずにそのまま、たれごと入れる。冷蔵で約1週間保存可能。
アレンジレシピ1:ピリ辛冷やし和え麺
焼豚をさらにおいしく味わうアレンジレシピ。焼豚の作り方や材料は、『焼豚のさっぱり梅干し添え』と同様です。
<作り方>(1人分)
【1】もやし1/3袋は600Wの電子レンジで2分ほど加熱する。焼豚適量は薄切りにする。
【2】ボウルに酢大さじ1 1/2、白すりごま大さじ1、砂糖・ごま油各小さじ2、甜麺醤・しょうゆ各小さじ1、コチュジャン・ナムプラー各小さじ1/2を入れて混ぜる。
【3】中華麺1玉を表示通りにゆで、冷水でもみ洗いし、水気をよく切る。
【4】【2】に【3】を入れ、よく和えて器に盛り、【1】と錦糸卵適量をのせ、残った【2】をかける。
アレンジレシピ2:焼豚の辛子マヨ和え
余った焼豚を使って、小鉢やおつまみにサッと出せるスピードメニュー!
<作り方>(2人分)
【1】焼豚80gは1cm幅の棒状に切る。きゅうり1/2本は5mm角の4cm長さに切る。
【2】ボウルでマヨネーズ大さじ2、和辛子小さじ1/3、焼豚のたれ小さじ1を混ぜ、焼豚を加えて和える。
【3】器に【2】ときゅうりを交互にのせて盛る。
アレンジレシピ3:焼豚豆腐丼
ガッツリ食べたいときは丼が最高のごちそう!
<作り方>(1人分)
【1】焼豚適量はひと口大に切る。
【2】みょうが1/2個は小口切り、大葉2枚としょうが1/2は千切りにして混ぜる。
【3】器にご飯1膳分を盛り、水気を切った豆腐1/3丁、【1】、【2】、梅干し1/2個、スプラウト1/2パックをのせる。焼豚のたれ少量をかけ、混ぜながら食べる。
教えてくれた人
料理家・飛田和緒さん
身近な食材を使った家庭的な料理が人気。神奈川県・葉山で丁寧な暮らしを送り、豊かなライフスタイルも注目されている。『せっちゃんの保存食』(KADOKAWA)を2020年9月末に出版予定。
撮影/キッチンミノル
※女性セブン2020年9月17日号
https://josei7.com/