「認知症」「糖尿病」「動脈硬化」女性が今すぐ受けるべき“超最先端”検診・検査
医療の検査技術は日進月歩で発展している。自分に必要なものを選び、組み合わせて受ける任意型の検診を受けることが、これから健康長寿を目指すには大切だ。
女性が今すぐ受けたい最先端の検診・検査を紹介する。
「認知症」を前段階で発見する血液検査
長らく「根治の方法はない」が定説とされてきた認知症だが、その前段階である「軽度認知障害(MCI)」のうちに発見すれば、進行を遅らせたり、健常に戻ったりすることが判明している。
意外と気づかないそのリスクを発見できるのが「MCIスクリーニング検査」だ。
同検査の開発者、筑波大学准教授で医師の内田和彦先生が話す。
「認知症の8割を占めるといわれるアルツハイマー病は、神経細胞にダメージを与えるたんぱく質『アミロイドβ』が脳に沈着して発症します。この検査では血液検査により、アミロイドβを抑制する3つのたんぱく質がどれだけ減っているかを調べ、将来のアルツハイマー病のリスクを判定する仕組みです」
費用は2万~3万円。認知症は、男性よりも女性の方が発症しやすいことが判明しているだけに、積極的に活用したい検査だ。
24時間「血糖値」を測定・記録する機器
血液からさまざまな疾患が判別できる時代となった。中でも、最先端といえるのが、「Freestyleリブレ」だ。臨床現場でこの機器を活用する、下北沢病院糖尿病センター長の富田益臣先生が説明する。
「腕にセンサーを貼りつけるだけで、睡眠中も含めた24時間の血糖値が測定・記録できる。これまで”点”だった数値が”線”でつながるわけです。患者さんも『お菓子を食べると上がる』『運動をすると下がる』など行動と記録がリンクするので生活習慣の改善に取り組みやすい。よくいわれる『野菜を先に食べると血糖値が上がりにくい』なども、目に見えてわかるから、やる気も出るんです」
費用は保険適用外だと1万6000円~。この機器はネット通販などでも販売されているが、こんな問題点も。
「自己判断で『炭水化物は一切食べない』とか『肉ならいくら食べてもOK』など、極端な食生活に走る人もいる。できれば医師の指導のもと取り組んでほしい」(富田先生)
「脳梗塞」、「心筋梗塞」の10年後発症リスクを判定
採血でわかるのはこれだけではない。脳梗塞や心筋梗塞のリスクも明らかになる。
「LOX-index」と呼ばれる血液検査を実施する東京国際クリニック院長の高橋通先生が言う。
「脳梗塞や心筋梗塞は動脈硬化によって起きます。この検査では血液中のコレステロールに関連した特定のたんぱく質などから10年後の発症リスクが判定できます。『低リスク』と診断されたかたと比べ、『中リスク』以上のかたが脳梗塞になるリスクは3倍に、心筋梗塞でも2倍のリスクがあったとのデータがあります」
普通の健康診断では正常であっても、脳梗塞一歩手前だったということがわかったケースもあるという。費用は1万2000円が上限だそう。
「特に女性は、閉経後に動脈硬化のリスクが大きく高まるため、ぜひ受けてほしい」(高橋先生)
医療の発展とともに生まれたさまざまな検査は現代に生きる私たちにとって恩恵ではあるが、そのほとんどは自費扱い。
「どの検査を受けるべきかは、親など家族の病歴や、既往症などを併せて考え、医師と話し合って決めるべきでしょう」(前出・室井さん)
そして、何より大事なのが結果の受け止め方。
「最新検査には、治療の必要がない病気を拾い上げるリスクがある。つまり、結果に一喜一憂せず、冷静に判断できる余裕が必要なのです。検査は生活習慣を改善するきっかけにしてほしい」(室井さん)
日進月歩の医療界における最新検診・検査――健康に生かせるかどうかは私たち自身にかかっている。
※女性セブン2018年12月13日号
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