猫が母になつきません 第344話「かぞく」
「家族」とは「家によって結ばれた繋がり・共同体」「夫婦や親子その他の血縁」「同じ家に住み生活を共にする者」というような意味合いだそうです。この中の3番目の意味で、母の中では家族のメンバーがかなりあいまいになってきて、死んだ人が生き返ったり、一緒に住んでいない人の帰りを気にしたり、ついにはそもそもいない人が登場したり。もしかしているのか?知らない妹(疑)。大家族の中で育った母にとって、私とふたりきり+猫だけの生活は静かすぎるのかもしれません。そういえばペットも増えて犬も飼っていることになっています。今のところはまだ母に「どちらさま?」と言われたことはありませんが、「〇〇は?」「帰ってこないよ」「△△は?」「帰ってこない」「XXは?」「私です」ってことはありました(危)。このあいまいさの先に「どちらさま」はあるのでしょう。脳の中が混乱を極めてくる母の様子をずっと見ているとそれは必然にさえ思えます。もしそうなったとしても、「お、きたな」くらいの受け止めができそうな程度にはもう鍛えられました。何かいい返しを考えておこうかな。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。