猫が母になつきません 第345話「でんどう」
少し前の話になりますが、今後母の足が弱った時のことを考えて近所にお出かけ用の電動カートを試乗してみることにしました。試乗車を家まで持ってきてくれて乗り方も指導してくれるというサービスをしているところがあったので、電動カートと電動アシスト付き自転車(三輪)も試乗してみることに。家の前の道は車通りが少ないので敷地内で少し練習してから路上へ。電動カートは最高速度が時速6キロで私が早足で歩くくらいの速さです。初めてなので時速3キロくらいで試すと母は「おそいわね」と不満そう。電動アシスト付き自転車に乗り換えると「私は子供のころから自転車は得意なの」と、いきなりスピードをだそうとします。もう子供じゃないし、ペダルは漕げてもハンドルはバランスがとりきれずかなりぐらぐらしています。結果、2対1で電動カートの方を1ヶ月レンタルしてみることに。母が自転車にしたいと言ったのは「電動カートは高齢者の乗り物だから自分は乗りたくない」と思っていたからだと思います。何かにつけ「年寄りみたいでいや」と言うのですが、間違いなく年は寄っていますし、その中でもだいぶ上のほうなんですけどね。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。