”更年期”をラクに過ごす6つのメソッド「朝起きる時間を一定に」ほか婦人科医が指南
40代後半からのライフステージには、さまざまな変化が訪れる。ちょうどその時に訪れるのが「更年期」。ホットフラッシュ、めまい、イライラ…など、辛い症状のまま生活をしていませんか。日本産科婦人科学会専門医である松村圭子さんに少しでも辛さが和らぐ方法を教わった。
更年期は自分を見つめ直すタイミング
「更年期が始まる40代後半は人生の折り返し地点。家族を優先させてきた人ほど、自分について考えるよい機会です。すべてをひとりで抱え込んでいると、この時期はさまざまな不調に見舞われるので、荷を下ろすサインだと思って」
そう話してくれたのは、成城松村クリニック院長の松村圭子さん。
最近は男性も多い更年期。少しでも辛い症状が緩和されるように村松さんにポイントを教えてもらった。
【ポイント1】朝起きる時間を一定にしてみよう
「起床時間を一定にすると、体のリズムを整えやすくなります。朝日を浴びると分泌されるセロトニンは夜、睡眠を誘うメラトニンに変わるため、良質な睡眠がとれるようになります」
寝だめは体のリズムを崩すので、もし休日にする場合でもプラス1時間程度に。
【ポイント2】朝食は無理に食べるのでなく食べたいと思えるようにする
「食べるより寝ていたい、胃が重くて食べられないなど、朝に食欲がないのは不健康の証。食べ物をそしゃくするとセロトニンが分泌され、脳が目覚めやすくなりますし、消化のために胃腸が動くなどして体の機能が正常に働けば自律神経も安定するようになります」
【ポイント3】ホットフラッシュのときこそ体を温めよ!
顔などがカッと熱くなり、大量に汗をかくホットフラッシュ。つい冷やしがちだがこれは間違いだという。
「この症状は、漢方では“冷えのぼせ”といって体の熱分布がアンバランスな状態を指します。下半身が冷えている状態なので、体を温めるのが正解です」。
【ポイント4】のぼせやほてりはホルモン補充療法が有効
更年期ののぼせやほてりは、血管の収縮と拡張のバランスが取れなくなるのが原因で起こる。
「いずれも更年期が終われば改善されますが、数年続く場合もあるので、日常生活に支障をきたすようなら専門医の受診を。ホルモン補充療法で楽になります」
【ポイント5】自律神経を安定させるには室内外の温度差を5℃以内に
「更年期症状はほぼ、自律神経の乱れが原因。安定させる方法の1つとして温度差をなくすのがおすすめです」。
暖房を効かせた室内に薄着でいるのはNGだという。室内と室外の温度差が大きいと自律神経が乱れやすくなるので、室温より体自体を温める工夫を。
【ポイント6】リラックスするには適度な飲酒も効果的
「うつうつ、イライラするようなら、適度な飲酒も効果的。心身をリラックスさせることが何より大切です」
目安は、ビール(アルコール度数5%)500ml、缶チューハイ(アルコール度数7%)350ml、ワイン200ml(グラス2杯弱)程度。ただし、寝酒は厳禁!
教えてくれた人
松村圭子さん/成城松村クリニック・院長
日本産科婦人科学会専門医。漢方などを活用し、女性の不調に向き合う。『これってホルモンのしわざだったのね 女性ホルモンと上手に付き合うコツ』(池田書店)など著書多数。
取材・文/佐々木めぐみ、鳥居優美
※女性セブン2022年1月20・27日号
https://josei7.com/
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