兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第116回 大変です!急に匂いが消えました(その1)】
ライターのツガエマナミコさんは、若年性認知症を患う兄と2人暮らし。自分のことより兄を優先するツガエさん、ワクチン接種の手配もまず兄から…。週に1日デイケアに通う以外はほぼ、家で過ごす兄をサポートを続けるツガエさんをもっとも悩ませているのは兄の排泄問題。そして、このたびは、ツガエ家に大ピンチが襲いかかったときのお話です。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

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まさか!まさかの…一大事
やっと兄が1回目のワクチン接種を終えました。
4時にデイにお迎えに行き、トボトボ歩く帰り道、「今日は注射打ったんでしょう?」と聞いたら、「え?注射?…したの?」とのたまう兄。まるでお年頃のお嬢さんに「いくつ?」と聞いたら「いくつに見える?」と返されたようなシラケたムードになりました。
「どっちかの腕が痛くない?」と聞きましたが、「え~?痛くないよ」というので、上手に打っていただいたんだなということだけは確認できました。
自分はともかく、兄だけでも接種が済んでくれれば少し安心、と胸を撫でおろしたその翌日、事件はついに起こってしまいました。
夜、わたくしがいつものようにお風呂に入り、シャンプーをしたとき、なんの香りもしないことに気が付いたのです。その日は新しいシャンプーの初日。「どんな香りがするかな?」