精神科医Tomyの元気の出る金言【第10回 “死んだらどうなるか”心配?】
死んだ後どうなるか不安?
正解のわからないことが
気になって仕方ない時は
今やることに集中して
放っておくのも手よ。
* * *
今を大切にしましょう
おはようございます。精神科医のTomyです。季節の変わり目を元気でお過ごしですか? 今週も体調には気をつけましょうね。
さて今回は、「死んだ後ってどうなる?」という、気になるけれど難しいテーマを取り上げるわね。正解は知りようがないし、ここではアテクシ個人の考えを語るので、ご了承ください。
アテクシ自身が大切な人を亡くした時に、悩み抜いて辿り着いた結論はね。考え方はふたつあると思いました。
1.存在そのものが消えて、何も考えなくて済む。
2.死後の世界がある。先に逝った人に会える。
存在が消えてしまうならば、死後の世界も存在しない。死後の世界があるならば懐かしい人に会えて楽しみ。どっちにしても怖がる必要はないし、死んだ後に苦しむこともなさそうなのよ。
ちょっと乱暴に聞こえるかもしれないですが、「呼吸すらしなくていい、ご飯も食べなくていい、時間や場所や先々のことから解放される。それなのに、どうして死んだ後のことまで心配するのよ、ナンセンス!」って思ったの。もちろん、長い時間をかけていろいろ浄化されてから得た結論です。
気持ちには波があります。頭がヒマすぎてつい考えちゃうだけかもしれません。今自分のやるべきことを少し増やしたり丁寧に行ったりして、気持ちをそちらへ集中すると良いのでは。また、気分が安定しないのは体調が悪い時も多いです。健康管理を怠らないでね。
さて、死が怖くて夜も眠れない、という時はどうすればいいでしょう。抱えている不安を吐き出すと少し心が軽くなると思います。人に話したり、ノートに書いたりして心の外に出してしまいましょう。適度に疲れて夜ぐっすり眠れるように、日中いつもより多めに歩いたり、家の中でできる軽い運動をしてみてもいいですね。
もうひとつ、介護をしている時に高齢の方から「死ぬのが不安」と言われたらどうしましょうか。そんな時は、ただ聞いてあげればいいと思います。気持ちの波もあるし、ずっとそればかり考えているのではないと思うんです。意見も共感も要らないし、答えを出さなくていいのです。
「そうだね、死んだらどうなっちゃんだろうね」と一緒に悩み、聞いてあげる。答えがないとわかっているけど話したい、話して気持ちが落ち着くっていうこと、ありますよね。「心配なんだね、そうだよね」って聞いてあげてね。
人生って、今を大切にするしかないと思います。家族との会話を楽しみ、ご飯が美味しいなと感じるなどの日常が大切なの。不安に駆られたら、目の前のことに集中して気を逸らしてね。答えを出さずに放っておくのも手だと思います。
プロフィール
精神科医Tomyさん/1978年生まれ。国立大学医学部卒業後、精神科クリニックに勤務。診察する中で言葉の力に気づき、自身のつらい経験も生かして温かいアドバイスをツイッターで発信。たちまち話題になり、フォロワー現在、24万人を突破。作家・エッセイストとしても活動しながら、悩み多き人々に寄り添い続けている。
ツイッター:『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』 @PdoctorTomy
『もう、“言わずに我慢”なんてしなくていい! 精神科医Tomyの 言いたいことがラクに伝わる35の方法』(大和出版)
『精神科医Tomyが教える 1秒で元気が湧き出る言葉』(ダイヤモンド社)
取材・文/永田玲香