精神科医Tomyの元気の出る金言【第9回 頑張りすぎのあなたへ】
人生は観覧車なのよ。
途中から下がっていき
今日が能力MAXなの。
力を注ぐべきものを
見極めましょうね。
* * *
自分にとっての優先順位を見直しましょう
おはようございます。精神科医のTomyです。このあいだ後輩に「人生は途中から引き算になりますよね」って言われたのよ。そうなのよねえ、今週も上手に引き算してやっていきたいわね。
まだアラフォー、若輩者のアテクシですが、ずっとのぼっていた人生が途中からくだりになるのをちょっとずつ感じています。そこでこれを「観覧車理論」と呼ぶことにしたの。
肉体的にも能力的にも40歳くらいまでなら、何事も明日の自分の方が上手にできるのよね。頑張ったら、明日の自分の方が伸びている。ところが観覧車のてっぺんを越えたら、明日の方が能力は落ちている。人生の中で、自分の能力がMAXなのは今日よ。
そこで、先に大切なことをやっておけるよう、優先順位を考え直すといいと思います。
頑張りすぎる人って、今まで頑張ればなんとかなった、という成功体験を持つ人が多いようです。自分は不調とは無縁と思い込み、心身が辛いのを無視して頑張るので、度を越えて倒れちゃう。
やり方を変えなくても何となく進めるかもしれません。でも、改めて人生の仕分けをすると楽になるの。これさえ残れば生きていけるっていうものを決めて、いろいろ小さなことは切り捨てましょう。もちろん、成熟して手に入れたものがたくさんあるんだから、今の自分を大切にね。
アテクシもちょっぴり疲れやすくなったわ。前は診療の昼休憩にジムで汗を流すくらい元気だったのに、今はお昼寝して午後の診療に備えているの。仕事のバランスを見て、時には仲間のドクターに手伝ってもらうことも増えました。
諦めること、頑張らないことは悪いことって思い込みがあるかもしれないけど、違うと思うわ。観覧車の後半には大切なものだけ残しておけば充分。自分にとっての優先順位をしっかり考えてみてはいかがでしょうか。
プロフィール
精神科医Tomyさん/1978年生まれ。国立大学医学部卒業後、精神科クリニックに勤務。診察する中で言葉の力に気づき、自身のつらい経験も生かして温かいアドバイスをツイッターで発信。たちまち話題になり、フォロワー現在、24万人を突破。作家・エッセイストとしても活動しながら、悩み多き人々に寄り添い続けている。
ツイッター:『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』 @PdoctorTomy
『もう、“言わずに我慢”なんてしなくていい! 精神科医Tomyの 言いたいことがラクに伝わる35の方法』(大和出版)
『精神科医Tomyが教える 1秒で元気が湧き出る言葉』(ダイヤモンド社)
取材・文/永田玲香