猫が母になつきません 第231話「ぐずる」
やめました、手術(手術までの経緯は前話参照)。やっぱり…としか言えません。母は入院が決まった翌日から「近くに日帰りで手術できるところがある」と言いだし「高齢者は日帰りは無理なの」と言うと、手術だって失敗することがあるとか、寒いときにしたくないとか、もうこれで死ぬような気がするとか、こちらが根をあげるまで1週間毎日毎日ぐずりつづけました。この調子だと手術直前にやめると言い出しかねないので、病院に迷惑をかけてもいけないと弟と相談して手術を見送ることにしました。病院にキャンセルの電話を入れてわかったのは、すでに母が自分でキャンセルの電話を入れていたということ。その後弟にちゃんと治療するように言われ「息子に怒られた」とキャンセルを取り消していました。もうそんな迷惑をかけてしまっていたとは…とにかく謝りたおして電話をきったときにはぐったり。正直、こんな思いをするならやめてよかったとさえ思いました(涙)。今回は緊急性がないので先送りにできますが、そうでない場合は…無理やりにでも治療させる?病気があれば治療するのが当然と思っていましたが、高齢者にはそうではない選択もある?入院用に買った新品のパジャマが窓辺に綺麗に畳んで置かれたまま、所在なさげにしています。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。