50代からの靴選び…足に優しい靴5つの条件|足のアーチに合う靴の見つけ方
50代の記者が靴を選ぶとき、若い頃と違って見た目よりも歩きやすさや履き心地重視になってきている。実は最近、膝の痛みに悩んでいる。そこで改めて靴選びについて真剣に向き合うことにした。足に優しい靴の選び方とは? パンプスは履けるのか…。足の専門医、靴選びの専門家に話を聞いた。
コロナ禍の自粛で足や膝のトラブルが増加
50代半ばを過ぎてから立ち上がるときや階段を上るとき、膝に軽い違和感があった。それが自粛明けのある日、急に左膝がズキズキと痛み始めた。病院に行って検査したところ膝が変形していると言われたのだった。
足の専門医であり「足のクリニック表参道」医院長の桑原靖さんによると、コロナ禍で足の痛みやトラブルを訴える患者が増えているという。
「自粛期間中の運動不足から足の機能が低下し、ケアをしないまま歩くため、痛みが発生していると考えられます」と桑原さん(以下・同)
コロナ禍で急増する足のトラブル事例
1.外出自粛で筋肉や足の機能が低下
→痛みの限界値が下がり痛みを感じやすい状態に。
2.自粛期間中に“宅トレ”などオンラインレッスン
→裸足で無理な動きは足に負担に。
3.自粛明け急に慣れない運動を開始
→さらに足の痛みが増加する。
記者はコロナ以前、親のいる介護施設への往復で日々結構な距離を歩いていたのだが、自粛期間は面会禁止だったので運動量が大幅に減った。そこへ自粛明け、ウオーキングでもするかと急に歩き始めたせいで膝が痛み出したのだ。
いったいどうしたらいいのだろうか?原因は…。
「急に激しい運動やランニングをするのは危険、少しずつ、ゆっくり運動を始めるといいでしょう。膝に痛みが生じる原因として、体を支える土台となる足のアーチ構造が崩れている場合もあります」
原因は足の土台“アーチ”の崩れ?
「理想的な足は、足の指先からかかとまでの骨がアーチ状になっています。足のアーチ構造は、合わない靴や、歩き方のクセ、加齢などによって崩れてしまうことがあるんです。
足のアーチ構造が崩れると、足が内側に傾いて足首にねじれが生じます。歩くときにはそのねじれを補正しようと膝や股関節に余計な力が加わります。若い頃は関節が柔らかいのでなんとかなっていたものが、加齢により関節が固くなると、トラブルが生じやすくなります。
足のアーチが崩れると、足だけでなく骨盤が前傾して姿勢が悪化し、腰痛や肩こり、頭痛など全身の不調につながるのです」
「いったん崩れたアーチは残念ながら元には戻りません。しかし、アーチをサポートするインソールや靴を履いて歩くことで、今後予想されるトラブルを防ぐことができます」
どんな靴を選べばいいのだろうか…以下で解説していく。
足に合わない靴を履き続けると症状が悪化
自分の足の状態を知り、足に優しい靴を選ぶにはどうしたらいいのだろうか。
→スニーカーの選び方|痛くなくラクに歩ける靴選びのポイントとおすすめ最新スニーカー
靴選びの専門家、上級シューフィッターの中村浩幸さんによると、
「いつも履いている靴を観察することで、足の状態がわかります。足のアーチが崩れていると、局所的に力が加わりタコやウオノメといったトラブルが現れます。今までの靴で歩き続けていると症状が悪化してしまうことも…」(中村さん・以下同)
以下の項目いずれかに当てはまれば、足のアーチが崩れている可能性が。まずは、自分の足や靴を見てチェックしてみよう。
靴を見るとわかる…NG靴チェック
□インソールの踏みつける部分が痛んですり減っている
□足を入れる履き口が大きく広がっている(パンプスやローファーなど)
□今までの靴のサイズだと窮屈に感じるようになった
□指の付け根が圧迫されて靴に小指があたるようになった
□足にタコやウオノメができる
記者も改めて履き慣れた靴を見てみると、靴底がすり減っているのだが、特に左足の靴底が変形している。これが膝痛の原因かも…。
→靴底のすり減り方で体の歪みがわかる!改善法と正しい靴の選び方とは
足や膝に優しい靴選びのポイント
中村さんによると、靴を選ぶときは、以下の5つのポイントを抑えることが大事だという。
1.つま先に丸みがあり自分の足の形に近い
2.つま先の素材が足になじむ素材
3.インソールがアーチを支える形状
4.ソールのクッション性が良い
5.かかとにフィット感があるもの
50代におすすめの歩きやすい靴とは?
パンプスやスニーカーなど靴の種類によって、足に優しい靴選びのポイントを教えてもらった。どのタイプの靴も、かかとを合わせてから履くのが基本だという。
足の専門医と靴選びの専門家の意見をもとに、50代におすすめしたい足に優しい靴をピックアップ。
中でもおすすめなのが、加齢による足のアーチ崩れを“アーチ・エイジング(TM)”と呼び、足に優しい靴を作り続けているメーカー『fitfit(フィットフィット)』のもの。55歳以上の女性愛用者が多く、パンプスも履きやすく安心して歩けるという声が多いという。
パンプスの選び方
□足の指先に余裕がある
□かかとがフィットする
□足を曲げた時にアッパー(つま先部分)が足に食い込まない
□ソール(靴底)は、衝撃を吸収するラバーがおすすめ
足にフィットして疲れにくいパンプス『ポインテッドパンプニーカーII』。つま先部分にゆとりがあり、歩きやすさも追及。
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スニーカーの選び方
□かかとがフィットするもの
□すきまや食い込みがない
□紐を結んだ状態で甲にフィットするもの
底がやわらかく足が疲れにくいスニーカー『やわらかLITEスニーカーII』。足のアーチにもフィット。
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ブーツの選び方
□甲の部分がフィットしている
□中敷きが足裏にフィットしている
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教えてくれた人
桑原靖さん/足のクリニック 表参道・院長
2004年 埼玉医科大学医学部卒業。同大学形成外科にて外来医長、フットケアの担当医を務める。2013年、東京表参道に日本で初めて足のトラブルに特化した医療機関を開院。日本下肢救済・足病医学会評議員。
中村浩幸さん/FHA認定上級シューフィッター
20年靴メーカーでの経験をいかし、靴選びの専門家として活躍。1994年バチェラーオブシューフィッティング認定(足と靴と健康協議会認定)、シューフィッター養成講座の講師と実技指導員でもある。
取材・文/本上夕貴