猫が母になつきません 第219話「かんけいない」
息子さんを名乗る人物から「すぐに振り込まないと間に合わない」という電話があって、まもなく弁護士という人がやって来て銀行に連れて行かれ、500万円を振り込んでしまったそうです。そんな典型的な振り込め詐欺…銀行でくいとめられなかったのでしょうか。母は「そんなことあるのかしら?」と不思議そう。自分には全然関係ないって顔。あれだけニュースになったり、騙されないようにいろんなメディアで呼びかけられたりしていても、当の高齢者はこんな感じです。このくらい当事者意識ゼロだと怒る気もしません。母をターゲットにした怪しいアプローチは山ほどあって、今は電話だけでなく詐欺メールもあるので常に騙される危険にさらされてます。あまりにしょっちゅうなので「犯罪」に巻き込まれそうになっているという感覚もなく、詐欺という行為が日常に入り込んでしまっている。もはやブロックし続けられる気がしません。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。
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