ストレートネック&テレビの高さが首や目の痛みの原因に|姿勢改善セルフケア法
長い外出自粛期間中からテレビやスマホを長時間眺めることが身に付いていませんか。ついつい同じ姿勢や悪い体勢で行って、首や目の疲れに悩みを抱える人が増加中だという。
その首や目の痛みの原因はストレートネックやテレビの高さかもしれません。姿勢改善セルフケアやツボ押しなどで不調にサヨナラしちゃいましょう。
姿勢を保つ“30分ルール”
長引いた自粛生活で頭痛や首のこりを感じるようになった人は、「ストレートネックになっている可能性がある」と、整形外科医でカイロプラクターの竹谷内康修(たけやちやすのぶ)さんは言う。
「ストレートネックというのは、長時間うつむいてスマホを見続けているうちに、正常な状態では、やや前にカーブしている首の頸椎(けいつい)の湾曲がなくなり、まっすぐ伸びてしまった状態です。顔を30度下に傾けるだけで、首には3~4倍の負担がかかるのですが、ストレートネックの状態で、4~5kgもある頭を支え続けると、頸椎の関節が押し潰され、やがて変形してしまいます」(竹谷内さん・以下同)
ストレートネックが続くと猫背になり、首から背中の筋肉がこり固まる。この悪循環が、つらい首の痛みとなって表れるのだ。
「痛みを解消する抜本的な方法は、姿勢を正すこと。そこで、おすすめなのが次に紹介する頸椎エクササイズです。直接、頸椎にアプローチする運動ではありませんが、周辺の筋肉を動かすことで首の痛みやしびれ予防、姿勢の改善に効果があります。3回を1セットとし、日に何セットでもOK。空き時間に行うといいですよ」
たとえば、
【1】では、硬くなった胸の筋肉を伸ばし、胸椎(きようつい)(胸の背骨)の動きをよくして猫背を矯正。
【2】では、衰えた背面の筋肉を柔軟にし、
【3】では、頸椎と肩甲骨をつなぐ肩甲挙筋(けんこうきよきん)を伸ばしながら、首の疲れをとる。
これらを続けていけば、首まわりの筋肉がほぐれ、姿勢もよくなってストレートネックの改善もできる。それに加えて、テレビやスマホを見る姿勢にも注意が必要だ。
「床に座る、椅子に浅く腰かける、足を組むなどは姿勢を崩すのでおすすめしません。椅子の座面が大きい場合は、背もたれと腰(骨盤の少し上)の間に厚さ約5cmのタオルを挟み、沈み込むようなソファなら、座骨の下に折りたたんだバスタオルを敷くと骨盤が安定します」
スマホを見るときは画面を目の高さに合わせ、腕がつらければ、ひじを手で支えると楽になる。パソコンの場合は、画面が目線のやや下にくるように椅子の高さを調整しよう。
「現代の座りっぱなしの生活は、生活習慣病や首・腰痛を引き起こす要因であるとしてWHOも警鐘を鳴らすほど、世界的な問題です。せっかくよい姿勢を保っていても、座りっぱなしでは体への負担は大きい。30分ごとに立ち上がり、頸椎ストレッチをするなどの“30分ルール”を実践し、デジタルと上手につきあっていきましょう」