ストレートネック&テレビの高さが首や目の痛みの原因に|姿勢改善セルフケア法
ドラマのイッキ見が止まらず、首も目もガチガチ…。
「応急処置として、首と目の疲れに効く翳明(えいめい)というツボを押すのもいいですよ」
そうアドバイスするのは、竹谷内医院 東京日本橋鍼灸治療室室長の中川照久さん。
「翳明は、乳様突起(にゆうようとつき)(耳の後ろにあるふくらんだ骨)の下にあり、ここから鎖骨、胸骨につながる胸鎖乳突筋(きようさにゆうとつきん)(首こりのもとにもなる筋肉)を刺激することで首と目の痛みを和らげます」(中川さん・以下同)
目が疲れて痛みもある、というときは、眉毛の中心にある魚腰(ぎよよう)と、瞳の真下の頬骨がへこんだあたりにある四白(しはく)のツボを押してみよう。
「目のまわりは三叉(さんさ)神経という脳神経の出入り口を刺激できるため、効き目を感じやすい場所です。それゆえ、強く押しすぎず、眼球を押さないように注意してください」
また、老眼やドライアイのほか、頭痛がある場合は、眉毛の内側の端にある攅竹(さんちく)が有効だ。
「攅竹のツボを押すことで、脳機能を向上させる効果もあるともいわれています」
それぞれ、イタ気持ちいいところで止め、5秒ずつくらい押し、一度手をゆるめて2~3回くり返す。
「筋肉を押すようなマッサージを自分でやるのはなかなか難しいですが、今回のツボ押しは、刺激を与えることで神経を休ませるものなので、ツボの位置さえ覚えれば、セルフケアとしては取り入れやすいと思います」
目や首が疲れやすい人は覚えておこう。
そうだったのか!テレビの設定、合っていますか?
自宅のテレビは買ってきたままの状態で見ている人が多いもの。しかし、「購入時には、色鮮やかな『ダイナミックモード』に設定されていることもあり、これは家庭では明るすぎて目によくないため、一度設定を見直すべきです」と、人間工学のエキスパート、窪田悟さんは言う。
「画面の明るさ(映像モード設定と明るさ設定)を調整し、適正な距離で見ること。この2つの設定が大きく外れると、目の負担になります」(窪田さん・以下同)
映像モード設定には、「ダイナミック」「スタンダード」などがあり、一般の家庭ならスタンダードで充分。次に、明るさ設定を「自動設定モード(明るさセンサーON)」にしておけば、部屋の明るさに適したレベルに、テレビが調整してくれる。
「日本では、暗い部屋でテレビを見るのは目によくないとされていますが、欧米では照明を消して見る人も多いんです」
つまり、テレビの明るさ設定が適切であれば、部屋の暗さは、実はあまり問題ないということだ。視聴距離については、ほとんどのメーカーが「画面の縦サイズの3倍」を最適値としているが、窪田さんによる実際の調査では、40型なら2.3m(4.6倍)、50型で2.6m(4.2倍)と、やや遠めが見やすいという結果が出ている。
教えてくれた人
整形外科医・カイロプラクター・竹谷内康修さん/竹谷内医院院長。腰痛や首の痛み、膝痛、股関節痛を中心に、薬や手術に頼らず「手技」で体を根本から治療する。『自分で治す!頸椎症』(洋泉社)など。
窪田悟さん/成蹊大学理工学部在職中の2014年にエルゴデザイン研究所を設立。さまざまなプロダクトに対し、人間工学設計・人間中心設計に即した調査・実験を行っている。
イラスト/あべゆきこ
※女性セブン2020年6月25日号
https://josei7.com/
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