介護費の確定申告と医療費控除｜紙おむつ・はり治療は申告できる？

　医療費控除はどんな医療行為や医薬品でも適用できるわけではないので注意が必要だ。対象となる、医療費は以下の通り。

●医療費控除の【対象になる】医療費とは？

□治療費
□治療にための薬代
□入院費
□あんま、はり、きゅうなどの施術費用（治療のためで、健康保険適用にならない疲れを癒癒やすめの費用は対象外）
□医療機関までの交通費
□出産に伴う定期検診や検査、通院費用
□入院中の給食代
□介護保険制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
□視力回復レーザー手術（レーシック）、オルソケラトロジー治療（角膜矯正療法)
□人間ドックなどの健康診断で重大な疾病が発見されたときは適用　など

　一方、対象外となるのは以下のケースだ。入院時自己都合で個部屋にしたときの通常入院費との差額は対象となりません。また、医療保険の給付により補填された場合もその金額分対象外となる。

●医療費控除の【対象にならない】の医療費とは？

□自己都合による差額ベッド代
□予防接種
□人間ドックなどの健康診査（健康診査で重大な病気が見つかり、治療につながる場合対象となります）
□コンタクト・眼鏡費用（眼科手術後に機能回復のために短期間利用するための眼鏡や幼児の未発達視力を向上する眼鏡は対象）　など

医療費控除になる介護サービスとは紙おむつは？

　医療費控除は、病気や怪我などによる医療費が対象となるイメージが強いが、介護保険を利用した介護サービスに対しても適用可能だ。

●医療費控除の対象になる介護サービス

□介護保険制度の介護サービス利用料の自己負担額
□紙おむつ代（医師が発行する「おむつ使用証明書」が必要」
□交通費（ガソリン代、駐車場代は不可）

　具体的にどのような介護サービスが対象となるのか、特に介護保険サービスについて具体例をピックアップ。まずは、家で受ける介護サービスについて紹介する。

●医療費控除の対象になる居宅サービスの種類

□訪問介護
□介護予防訪問看護
□訪問リハビリテーション
□介護予防訪問リハビリテーション
□居宅療養管理指導（医師による管理・指導）
□介護予防居宅療養管理指導
□通所リハビリテーション（医療機関でのデイサービス）
□介護予防通所リハビリテーション
□短期入所療養介護（ショートステイ）
□介護予防短期入所療養介護
□定期巡回
□随時対応型訪問介護看護（一体型事業所で訪問看護利用時に限る）
□複合型サービス（生活援助中心型の訪問介護の部分を除く）

●上記と併せて利用する場合のみ対象となる居宅サービス

□訪問介護（ホームヘルプサービス、調理・洗濯・掃除等の家事の生活援助は除く）
□夜間対応型訪問介護
□訪問入浴介護
□介護予防訪問入浴介護
□通所介護（デイサービス）
□地域密着型通所介護
□認知症対応型通所介護
□小規模多機能型居宅介護
□介護予防認知症対応型通所介護
□介護予防小規模多機能型居宅介護
□短期入所生活介護（ショートステイ）
□介護予防短期入所生活介護
□定期巡回
□随時対応型訪問介護看護（一体型事業所で訪問看護を利用しないときまたは連携型事業所に限る）
□複合型サービス（生活中心型の訪問介護の部分は除く）
□地域支援事業の訪問型サービス（生活中心型の訪問介護の部分は除く）
□地域支援事業の通所型サービス（生活中心型の訪問介護の部分は除く）

●喀痰（かくたん）吸引等の対価

　対象とならない居宅サービスでも、喀痰吸引の対価は居宅サービスとして支払った金額の10分の1を対象とできる。

●対象となる施設で受けるサービス

　次に、老人ホームなどの施設で受けるサービスについて紹介する。医療系施設は全額、福祉系施設は2分の1が対象となる。なお、介護保険の限度額を超えた自己負担額は、医療費控除の対象外となります。また、高額介護サービス費として払い戻しを受けたら、その払戻金が対象金額から差し引く必要がある。

□指定介護老人福祉施設（特別養老老人ホーム）
　施設サービスである介護費、食費、居住費の自己負担額の2分の1が対象
□介護老人保健施設
　施設サービスである介護費、食費、居住費も自己負担額全額
□指定介護療養型医療施設（療養型病床群等）
　施設サービスである介護費、食費、居住費も自己負担額全額
□介護医療院
　施設サービスである介護費、食費、居住費も自己負担額全額