年齢より老けて見える理由|行動・話し方・におい・身なりの傾向と対策
<行動編>
■口ぐせが「めんどうくさい」「どうでもいい」
【原因】
自発性、意欲、感情の切り替えやコントロールなどを司る、脳の「前頭葉」が委縮することによる。早い人は40代から委縮が始まる。
【対策】
行ったことのない店でいつもと違うメニューを注文する、いつもと違う道を使うなど、前頭葉を刺激する生活を心掛けると脳トレになる。絵を描いたり陶芸をするのも効果的。
■ちょっとしたことで激高する
【原因】
精神の安定を保つ精神伝達物質の「セロトニン」が年齢とともに減少するため。
【対策】
ストレスをため込まないように気をつけ、適度な運動と日光を浴びることを心掛けるのがよい。
■男性的になる(女性の場合)
【原因】
50才前後から女性ホルモンが減少し、相対的に男性ホルモンの割合が増えるため。
【対策】
ときめきを忘れないようにする。アイドルよりもジムのインストラクターや習い事の先生など、直接会話できる相手のファンになるとよい。ただし、男性ホルモンが増えると人づきあいがよくなるとも。悪い面ばかりではない。
<話し方編>
■「わかるわ~、私もね…」「私なんてこの前…」と、自分の話ばかりする
【原因】
「相手よりも人生経験が豊富だ」という自負から、自分の話ばかりしてしまう。定年や子供の独立などによって自己肯定感が満たされなくなるもの一因。
【対策】
まずは自分の話をする前に「今日は会えてうれしいわ」、別れ際に「楽しかったわ、ありがとう」と伝えるなどしてみる。自分だけでなく相手にも楽しんでもらうことを意識して。
■「○○しなさいよ!」「○○すべきよ!」と、いつも命令口調
【原因】
「相手の役に立ちたい」「アドバイスしてあげたい」という気持ちから、つい命令してしまう。
【対策】
「おかしい」と思っても、頭ごなしに否定せずに「どうして○○なの?」「○○しないの?」と尋ねる。相手の言い分は最後まで聞き、理解を示すようにする。
■「最近の若い子って…」と、すぐ否定する
【原因】
自分の若い頃とは暮らしも価値観も違うことを受け入れていないため、若者を否定しがち。
【対策】
「おかしい」と思っても、頭ごなしに否定せずに「どうして○○なの?」「○○しないの?」と尋ねる。相手の言い分は最後まで聞き、理解を示すようにする。
<におい編>
■古いたんすや雑誌、ブルーチーズのようなにおいがする
【原因】
加齢臭のもとになるにおい成分「2-ノネナール」や「バルミトレイン酸」が40代から増加する。分泌量に差はあるが、原因物質は男性の加齢臭と同じ。
【対策】
皮脂吸着成分や殺菌成分の含まれた石けんやボディーソープでしっかりと洗う。耳の裏を念入りに洗うのがよいとされる。
■油っぽい、酸っぱいにおいがする
【原因】
皮脂が酸化した「過酸化物質」による。油っぽい食生活や疲労、過度なダイエットで増える。
【対策】
紫外線対策で皮脂の酸化を防ぐほか、食生活やストレスケアも効果的。たんぱく質をしっかり摂ることで脂肪酸の増殖を防げる。
<身なり・見た目編>
■見た目より安さ、ラクさを重視した服を選ぶ
【原因】
若い頃ほどダイエットやスキンケアの効果を感じられなくなり、「周囲からどう見られているか」への関心が薄れてくる。
【対策】
トップスだけでも明るい色のものを。ストールやバッグ、アクセサリーなど、どれか1つは自分が「おしゃれ、素敵」と思えるものを身につける。安くてもよい。
■姿勢が悪い
【原因】
加齢による見た目の変化で自信がなくなる。筋力が弱る。
【対策】
軽いストレッチをする。胸を張ってひざを伸ばして歩くことを意識するだけで若く見えるし、筋力もつく。
■仏頂面になる
【原因】
表情筋の衰えと、生活の変化が減ることで次第に無表情に。楽しい時も若い頃ほど魅力的な笑顔ができないことも。
【対策】
人と会話をする際、笑顔を心掛ける。買い物、食事、習い事など、やりたいことをやってみて、生活に変化を出す。家族に遠慮しないこと。
教えてくれた人
和田秀樹さん/精神科医。老年精神医学の専門医。著書に「困った老人のトリセツ」(宝島社)などがある。
吉原珠央(たまお)さん/イメージコンサルタント。著書に『自分のことは話すな』(幻冬舎新書)がある。
イラスト/飛鳥幸子
※女性セブン2020年2月27日号
https://josei7.com/
●キレる老人その理由|老化による「性格の先鋭化」」とは?対処法を解説