西城秀樹さん闘病中の自宅改修と愛用した暮らしの道具【第4回】
秀樹さんは、日頃から愛用していたものを使用することを好んだ。そこで、ケアマネジャーや介護に詳しい人に相談して、安全に日常生活が送れるように試行錯誤しながら色々な工夫をしたという。
「彼は背が高く脚も長いので、一般的な風呂場用の小さな座面の低い椅子だと、かがんで洗う体勢がしんどいし、立ち上がるのも大変。だからお風呂場には、パイプ椅子を持ち込んでいました。体を洗うには普通の高さの椅子がラクなようでした」
脳梗塞を繰り返していた秀樹さんにとって、入浴はとくに心配な時間だ。美紀さんの手が離せないときには、子供たちが付き添い背中を流すなど、常に秀樹さんの様子を気にかけていた。
「お風呂から『ママ、シャンプー』と呼び出しがあると、お風呂場へ急いで行って、髪を洗って背中を流しました。お風呂上がりには、肌が乾燥しないように、化粧水をつけて、クリームを塗って…。秀樹さんは、お手入れにも気を配っていたんですが、なぜか、すぐにタオルで拭いてしまうんですよ(笑い)」。在りし日の秀樹さんのことを、美紀さんはとても愛おしそうに語る。