定員30名、小規模施設の利点あふれる都心の介護付有料老人ホーム＜前編＞

小規模施設ならではの家族の安心感

　小規模な施設の良さは、アットホームな雰囲気に加えて、職員が入居者一人ひとりの様子を把握しやすいことだ。家族にとっても知らない職員がいないので、訪ねた際、誰に様子を聞いても答えてくれる安心感がある。取材で訪れた際にも何組かの家族が訪れていて、松本さんや職員と入居者の様子について話す光景が見られた。

　家族からすると、施設の職員に良い点を伝えることはできても、苦情や改善してほしい点を伝えるのは難しいという話をよく聞く。シンセリティ千代田一番町では家族と職員が気心の知れた関係になるため、改善点があっても話がしやすい。松本さんによると、苦情はほとんどないそうだが、率直な要望はきちんと寄せられているという。入居者のことをよく知るための努力は、職員が入職する際の研修から始まっている。決してお題目として唱えているだけではない。

「入職した職員は現場に出る前、入居者様全員の顔と名前、状況を覚える研修からスタートします。一人ひとりの状況をきちんと把握することから仕事が始まるんです」（松本さん、以下「」は同）

　週に1回は訪れる家族も多く、職員とも密なコミュニケーションを取っているそうだ。訪問時に必要であればケアマネジャーと面談を行い、内容によっては施設長の松本さんも同席する。

「遠方に住んでいるご家族には、メールで入居者の様子が分かる写真を送っています。最初は特に密に連絡を取り合い、安心してもらえるようにしていますね」

　また、こちらの施設には24時間、介護士と看護師が常駐しているので、認知症、在宅酸素、寝たきり、胃ろう、インスリン注射、人工肛門、末期がんなどの状態でも入居し、生活を送ることができる。小規模であるため、看護師も健康状態を把握しやすく、そういう意味でも家族としても安心だ。

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　次回、後編では、入居者の評価が高い食事についても紹介する。酵素を使って肉をやわらかく調理をしたり、食事を選べる日を作るといった工夫がなされている。そうした小規模の良さを活かすさまざまな工夫についても、さらに紹介していく。

【データ】
施設名：シンセリティ千代田一番町
公式WEBサイト：http://www.shincare-style.co.jp/sincerity/
所在地：東京都千代田区一番町11-3
最寄駅：東京メトロ半蔵門線「半蔵門駅」5番出口より徒歩1分
類型：介護付有料老人ホーム
運営主体：シン建工業株式会社
敷地面積：491.78平方メートル
延床面積：1298.71平方メートル
室数：29室（定員30名）
入居要件：概ね65歳以上、自立、要支援、要介護
構造：耐火建築物地上5階建
開設年月日：2014年12月01日
料金：
・Aプラン（入居金あり、個室）／保証金50万円、入居金（前払金）1800万円、月額利用料26万9850円（月額利用料内訳は家賃相当額0円、管理費19万4250円、介護費用0円、食費7万5600円）
・Bプラン（入居金、2人室）／保証金50万円、入居金（前払金）3300万円、月額利用料48万7200円（月額利用料内訳は家賃相当額0円、管理費33万6000円、介護費用0円、食費15万1200円）
・Cプラン（入居金なし、個室）／保証金50万円、入居金（前払金）0円、月額利用料56万9850円（月額利用料内訳は家賃相当額30万円、管理費19万4250円、介護費用0円、食費7万5600円）
・Dプラン（入居金なし、2人室）／保証金50万円、入居金（前払金）0円、月額利用料103万7200円（月額利用料内訳は家賃相当額55万円、管理費33万6000円、介護費用0円、食費15万1200円）
※保証金は退去時に滞納家賃及び居室の原状回復費用を除き全額返還。管理費には光熱水費、居室及び共用施設の維持管理、事務・管理部門の人件費、備品・消耗費の維持管理費が含まれる