定員30名、小規模施設の利点あふれる都心の介護付有料老人ホーム<前編>
シンセリティ千代田一番町
「シンセリティ千代田一番町」は、その名の通り高級住宅街として名高い「番町」にある。近くには英国大使館やローマ法王庁大使館、国立劇場があり、気品のある雰囲気を作っている。都心でありながら、千鳥ヶ淵の桜や北の丸公園の木々を眺めながら散策することもできる贅沢な場所だ。半蔵門駅5番出口を出てすぐ、わずか徒歩1分と利便性も高い。都心の病院へのアクセスも良く、しかも無料で送迎してくれる。
千代田区で最初にできた民間の有料老人ホームであるシンセリティ千代田一番町は定員30名と小規模であることが特徴の1つだ。運営する「シン建工業株式会社」は埼玉県で介護付有料老人ホームや介護付のサービス付高齢者向け住宅、小規模多機能型居宅介護、グループホームなどを展開しているが、いずれも定員が30名前後と小規模だ。経営効率を考えると、できるだけ多くの人数が入居できるようにした方が良いに決まっているが、あるポリシーを持ってあえて小規模にしている。
一人ひとりの顔と名前、状況を職員全員が把握
施設長の松本光一さんは以前、他社の大規模な高齢者向け施設で働いていた。その時の経験を活かして、最初の企画、建設時から小規模の良さを実現できる今の会社に移ってきた。松本さんは小規模にこだわる理由を「一人ひとりに目が行き届くこと」とシンプルに語る。大規模な施設では個別対応がなかなか難しいが、入居者、そしてその家族に密に寄り添うサービスを目指しているのだ。
ある一定の人数を超えると職員が入居者全員を把握することは難しくなるため、大規模な施設ではフロアごとに担当が分かれていることが多い。それはそれで効率的で入居者のためではあるが、担当外の入居者のことが分からないということでもある。家族も頭ではそのことが分かっていながら、ついつい自分の家族のことだけはどの職員にも分かっていてほしいという気持ちになってしまいがちだ。そこで心理的なギャップが生まれてしまい、ミスコミュニケーションが始まってしまうことがある。