「余命告知」の賛否 反対22.2%、賛成は77.8%で圧倒的多数
小林麻央さんが亡くなる前、余命を尋ねたと自身のブログで公表し、話題となった。病床にあって、自分の余命と向き合えるか。女性セブン『セブンズクラブ』会員432人に行った「余命告知」についてのアンケート(2017年5月12~17日実施)では、賛成77.8%、反対22.2%と「知らせたい」「知りたい」が多数派。
たとえば、賛成派からは「自分の終わり方を自分で決められる」(51才・会社員)、反対派からは「死刑宣告のようでむごい」(71才・主婦)などの声が挙がった。あなたなら、どう考えますか?
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余命は医師でも正確にはわからない
そもそも余命とは、どの程度正確なのか。昭和大学乳腺外科准教授の明石定子さんはこう語る。
「実際のところ、医師でも正確にはわかりません。私の専門は乳がんですが、再発した時点で、“完全に治すことは難しい”という話を、必ず患者さんにします。隠したままでは治療も行えませんから、きちんと話すべきだと、私は思っています。そして、治療していく中で、わかる範囲の余命はお伝えしています。誰しも死に対して備えたいことがあるでしょうから」
患者との接し方については、慰めるよりも寄り添い、告知前と過ごし方を変えない方がいいと、家族に進言している。
最期まで穏やかに過ごせる可能性を、医師と家族で探るべき
また、自分で判断ができる人に病状を伝えないのは不誠実だと語るのは、めぐみ在宅クリニック院長の小澤竹俊さんだ。
「現代は情報にあふれています。周りが秘密にしていても、のんでいる薬などを調べれば、どんな病状なのかわかってしまいます」(小澤さん)
余命を知らず、先の見えない治療の苦しみにさいなまれたり、逆に余命を知って、わずかしか生きられないことに絶望するなど、病床にあればいずれにせよ、痛みや苦しみはあるもの。それを踏まえ、患者が最期の時まで穏やかに過ごせる可能性を、医師と家族で探るべきだと続ける。
「どんな苦しみの中でも、人は幸せを見つける力を持っているはずです」(小澤さん)
人は生を受けた瞬間から死に向かう。元気なうちから死を見つめるのは難しいが、悔いのない終焉を迎えるための準備はしておくべきなのかもしれない。
「生あるものに平等に訪れるのが“死”。難しいことではありますが、悔いのないよう心穏やかに迎えられるといいですね」(明石さん)
※女性セブン2017年9月7日号
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