睡眠と食、生活の継続性にこだわった介護付有料老人ホーム<後編>
施設の都合に当てはめない運営方針とは?
ソナーレ浦和は「ライフマネージャー」という職種を置いている。介護視点のケアマネジャーと協力し、生活視点で入居者のサポートを行うのがライフマネージャーの役割だ。副ホーム長兼ライフマネージャーの豊島隆史さんにその狙いを聞いてみた。
「最近はお元気なうちに、ご自身が入る場所を見ておきたいという要望が増えてきましたね。どちらかというとこれまでは、本人よりもご家族が介護をするのが大変になって介護施設を探されるケースがほとんどでした。元気なうちに探している方は、『職員がどういう人たちなのかを見に来た』という方がいらっしゃいます」(豊島さん、以下「」は同)
豊島さんによると、最近は相談に訪れる人の情報量も以前に比べると増え、いろいろな施設を比較検討して選ぶ傾向が強まっているという。
「その方の人生を最上位に置き、尊重することを大切にしています。それが事業のコンセプトでもある『Life Focus』にもつながります。例えば『今日は食事を1階で食べたい。明日は2階で食べたい』という希望をわがままだと受け取らず、尊重することです。好きなところで食事をしたいというのは、本来であれば当たり前のことですよね」
集団生活の中ではわがままだと思われてしまいそうなことも、ここでは好きなことをする、したいように過ごすことが、わがままだとは受け取られない。そういった本当の希望を心にしまったまま我慢して、心身の状態を悪くしてしまっては元も子もない。もちろん、できることとできないことはあるのだが、ソナーレ浦和には「入居者の当たり前の希望を叶えてあげたい」という職員が集まっている。
オープンに際して職員を募集したところ、コンセプトに共感した人たちから募集人数の3倍以上の応募があったという。今まで働いていたところではなかなか実現できなかった理想の介護をしたいという、職員の熱意にあふれている。
「効率性が大事なのか、その方が自分らしい生活を送れていると思うことが大事なのか…。効率性は大事ですが、理念や事業コンセプトという意味では、私たちは後者をとっています」
対応が難しいケースは当然あるので、職員の中にも葛藤はもちろんあるだろう。しかし、豊島さんによると、最初から諦めるのではなく、実現するためにどうすればよいのかを考え、話し合い、チャレンジしてみようという雰囲気があるのだという。
「ライフマネージャーという職種、仕組みがあることで、『この方はどうすればイキイキできるのか?』を考えるだけではなく、形にすることができます。これまでの人生のストーリーやご本人、ご家族の要望を聞くことで、よりその人らしい生活を送るヒントをもらって、実現していっています。ホームの日課、スケジュールにご入居者を当てはめていくのではなく、その方の人間性にあった生活ができるようにお手伝いをしていきたいですね」
ソナーレ浦和は5月に始まったばかりだが、本当の長生きとは何かを追求している。豊島さんのもとに、初めて直面する介護のことが分からずに抱え込んでしまった人からの問い合わせが来ることがあるという。やはり、早めの相談をすることが介護の悩みを減らす鍵だ。ソナーレ浦和の立ち上げから関わっている豊島さんに気軽に相談してみることをお勧めする。
【データ】
施設名:ソナーレ浦和
公式WEBサイト:http://www.lifecaredesign.co.jp/sonare-urawa/
所在地:埼玉県さいたま市浦和区東高砂町26番地17号
最寄駅:JR「浦和」駅 徒歩7分
類型:介護付有料老人ホーム
運営主体:ライフケアデザイン株式会社(ソニー・ライフケア株式会社100%子会社)
敷地面積:1904.02平方メートル
延床面積:3148.25平方メートル
室数:66室
入居要件:原則として満65歳以上、要支援・要介護の方
構造:鉄筋コンクリート造、地上5階建て
開設年月日:平成29年5月1日
料金:前払いプラン(終身)か月払いプランを選択(全66室・7種類の居室タイプによって、料金が異なる)
・前払いプラン(終身)/入居時満年齢、居室タイプによって前払金、家賃相当額が異なる。また、介護度によって、月額利用料が異なる。
前払金は676万2000円~2445万円(想定居住期間にかかる家賃相当額を含む)、月額利用料は24万8400円~26万1360円(光熱水費、管理費、食費、上乗せ介護費)
・月払いプラン/入居時に必要な費用は敷金(家賃6か月分、79万8000円~150万円)のみ。居室タイプ、介護度によって、月額利用料が異なる。
月額利用料は38万1400円~68万1320円(家賃相当額、光熱水費、管理費、食費、上乗せ介護費)
撮影/津野貴生
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●「終の住処」を追求する介護付有料老人ホーム<前編>
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