介護生活にハーブを!<6>深刻なニオイの悩みに役立つ”ローズマリー”
「ローズマリー エタノール:原液」の作り方
【材料】
・生のローズマリー枝
できるだけフレッシュなもの使います。植木鉢やプランターでも生育しやすく、スーパーの野菜売り場内にあるハーブコーナーでもお求めになれます。(生のものが入手不可能な場合は、乾燥したドライローズマリーでも可)
・無水エタノール(薬局で購入)
・広口のガラス瓶(エタノールの蒸発を防ぐ器であれば、小さなジャム瓶でも可能)
【作り方】
1.ローズマリーの葉つき枝を瓶の中に8割ほど入れます。
(ローズマリーをたくさん入れればローズマリーの成分の多い濃い原液に。少なく入れると薄い原液になります)
2.無水エタノールを瓶一杯に注ぎます。
3.エタノールが緑色に変化するまで、2~4時間ほど放置する
4.ネットやろ過紙などで枝葉をこす。
完成後は、ふたがきちんと閉まる容器に入れ蒸発しないよう管理し、暗い場所で保存してください。時間が経つと緑色は褪せてきますが長期保存できます。
使用する際は、原液をスプレー容器などに移し替え、水で希釈します。
エタノールには、無水エタノールと消毒用エタノールの2種類が市販されていますが、無水エタノールには、消毒の作用はなく、水で希釈して初めて、消毒液となります。消毒効果が一番高いアルコール濃度は、80%に水で薄めたものと言われていますが、アルコールの強い刺激が気になる場合は、10~20倍で希釈しても、その効果は期待できます。
注意!:エタノールは刺激もありますので、人の体へは絶対に直接噴射をしないようしてください。また、アルコールのアレルギーがある方も使用はしないでください。
次の様な使い方がおすすめです。
●ルームフレッシュナーとして部屋全体に使う場合
ローズマリーエタノール原液を10%、水90%の割合で希釈します。そこにハッカ油(薬局で市販されている)を3~4滴ほど、加えることで爽やかさが広がります。
●市販の商品をうまく利用して
・市販の消毒用エタノールのスプレーにローズマリーエタノール原液を茶さじ2~4杯加えて使用。
・使い捨ての携帯用ウエットシート袋の中に、ローズマリーエタノール原液茶さじ2~3杯を染み込ませて。
清掃後にはローズマリーの抗菌に加え、爽やかなアロマ香も楽しめます。ローズマリーは認知症緩和にも効果を発揮するというエビデンスもあるので、介護の現場には相性の良いハーブと言えるのではないでしょうか。
日本人には親しみやすい香りで抗菌
もう一つ、日本的な和のハーブとして、抗菌効果も期待できるヒノキ科のヒバをつかった「ヒバオイル」もおすすめです。
ローズマリーの香りには馴染めない高齢の方でも、ヒバの香りには親しみやすさを感じるかもしれませんね。ヒバには、ヒノキチオールという成分が含まれていて、これが抗菌作用を持つとして知られています。
こちらはオイルとして販売されていますので、希釈して使います。
ヒバオイル希釈液の作り方(掃除や消臭、ルームフレッシュナーに)
【材料】
消毒用エタノール100cc
ヒバオイル10cc
ハッカ油2~3滴
【作り方】
1.材料を瓶に入れて振り混ぜて原液を作る。
2.スプレー容器に、水200cc、ヒバオイル希釈液10~20ccを入れ、消臭などに使用する。
(掃除用として使用する際は、希釈濃度を濃くする)
掃除消臭以外にも、ヒバオイルを入浴時のお湯に数滴使用すれば、快適なアロマ効果になります。
ローズマリー、ヒバなど自然の香りを利用しながら抗菌、消臭をすると、部屋全体が清々しく感じられ、家中のニオイも少しずつ変化してくるはずです。きっと外出先から帰られた時にその違いを感じることと思います。
今回ご紹介したものは、それぞれに刺激のあるものですので、くれぐれも食べ物と混同しない場所へ保管されるよう注意してください。
【材料のご購入は以下ののサイトを参照】
ローズマリー(ドライリーフ):生活の木 有機ハーブ ローズマリー 100g
青森ヒバ油:【精油タイプ/お試し】天然 青森ひば油 10ml@ゆうメール発送、
消臭スプレータイプのヒバ油:【消臭・除菌スプレー】 青森ひば 芳香スプレー 180ml@定形外郵便配送
ハッカ油:ハッカ油P 20ml
撮影・文/飯田裕子
飯田裕子(いいだ・ゆうこ)
1960年東京生まれ。写真家・ハーバリスト。30代の後半にストレスと過労で体調を崩すも、医療行為を受けながらハーブと出会い回復。メディカル的なハーブに興味を持ち、取材を始める。英国在住のハーバリスト、リエコ大島バークレー女史と出会い「ハーブの薬箱:文化出版」の企画、撮影に携わる。その後、日本メディカルハーブ協会のハーバルセラピストの資格を獲得。ハーブの知恵を生かすべくガーデンスタジオJP(https://www.facebook.com/gardenstudiojp/?pnref=lhc)として活動を始める。85歳になる元医師の父と母の遠距離プレ介護が始まったばかり。
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