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健康

「マヨネーズOK」「ビールも適量ならOK」無理な制限をしなくてもいい 肝臓と腎臓を同時に整える食生活とは

 そこでまず見直すべきは「食事」だという。

「血流豊富な肝臓や腎臓にとって最も好ましい血流のコンディションは、栄養や酸素を含んだ質の良い十分な量の血液がサラサラ流れる状態。逆に、血液中に中性脂肪が多いドロドロ状態では血管が劣化して動脈硬化が進み、肝機能も腎機能も低下します。元凶となる中性脂肪の増加は『糖質の摂りすぎ』によりもたらされるため、食事では糖質の摂取を控えることを最優先に取り組むべきです」

 ただし、糖質をゼロにしたり極端に控えたりする必要はない。

「体のエネルギー不足を避けるため、主食のコメやパンなら1〜2割程度減らすのがベスト。茶碗1膳なら一口か二口分減らすイメージで構いません。また、体内で中性脂肪に変換しやすい『果糖』が多く含まれる果物や、清涼飲料水や野菜ジュースなど“甘い飲み物”を控えるだけで、相当な量の糖質がカットできます」

 糖質を減らす代わりに、肉類や揚げ物はむしろ積極的に摂るべきだという。

「肉類や揚げ物に多く含まれる中性脂肪は肝臓で別の脂質に変換され、実は体内の中性脂肪蓄積にはほとんど関係ありません。むしろ脂ものを積極的に摂るほうが太りにくく、健康に良いことが明らかになっています。高齢者の場合、糖質控えが栄養不足に繋がらないよう、主食を1〜2割減らした際は、タンパク質を多く含む肉類などを多めにすると良いでしょう」

「早食い」や「ドカ食い」も要注意

 糖質を控えるうえで栗原医師が推奨するのが、「オイルファースト」と「マヨネーズの摂取」だ。

「脂質は血糖値を安定させ中性脂肪の生成を抑えるため、近年は食事の最初に肉類や揚げ物などの脂質を摂る『オイルファースト』が注目されています。また、調味料は糖分が多く含まれるドレッシング類よりも、塩分が少なく高エネルギーのマヨネーズやお酢など低糖質のものがお勧めです。サラダはもちろん鶏の唐揚げに使ってもいいでしょう」

 糖質以外にも注意すべき栄養素があるという。

「腎機能の低下が気になる人は、『リン』の過剰摂取に要注意です。なかでも加工肉や練り物、即席麺や冷凍食品など様々な加工食品に使われる『無機リン』は体内の吸収率が90%以上と高いため、なるべく避けたい。買い物では食品表示ラベルを確認し、添加物が多い物はカゴに入れる頻度を減らすようにしましょう」

「早食い」や「ドカ食い」も、脂肪肝やドロドロ血液を招く危険な食べ方だ。

「大量の食べ物を一気に食べれば血糖値が急上昇し、糖が中性脂肪に変換されて体内に蓄積しやすくなります。一口ごとに箸を置き、30回噛むことを習慣化すれば、血糖値の急上昇や中性脂肪の生成を防ぐだけでなく、適量の食事で満足できるようになるでしょう」

 大量摂取が肝機能に大きく影響するアルコールはどうか。

「腎臓についてはアルコールが悪影響を及ぼす明らかな研究報告はありません。肝臓に対しても、1日に350mlの缶ビール1〜2本程度であれば、アルコールを分解する際に肝臓内の糖が消費されて体内に蓄積した中性脂肪が減るため、脂肪肝の改善や予防につながる可能性があります」

 ただし、最も重要なのは「適量には個人差がある」点だという。

「酒に強い人であれば、純アルコールで1日40g(ビールなら中瓶2本、日本酒なら2合)、そうでない人は20gまでが適量と言えます。また摂取量は1週間単位で管理するのが合理的で、前者なら1週間で280g、後者なら同140gを超えないようにすればいい。その範囲内であれば、私は休肝日を設ける必要はないと考えています」

肝臓&腎臓を同時に鍛える!「栗原式食生活メソッド」

【1】コメやパンを1~2割減らす

 糖質の摂りすぎは中性脂肪増加による「ドロドロ血液」のもと。毎日食べるコメやパンを少し減らすだけで、中性脂肪の蓄積予防に。

【2】甘い飲み物・果物を控える

 果糖は中性脂肪になりやすい。多量の「果糖ブドウ糖液」を含むジュース類の摂取、「毎朝バナナを食べる」といった習慣は見直しを。

【3】肉や揚げ物を積極的に摂る

 肉や揚げ物の中性脂肪は別の脂質に変換されるため、肝臓に蓄積をすることはない。むしろ脂ものを積極的に摂る方が太らず健康に良い。

【4】食事はオイルファースト

 近年注目されているのが、食事の初めに脂質を摂る「オイルファースト」の考え方。血糖値急上昇、中性脂肪生成の抑制など様々な効果が。

【5】サラダにはマヨネーズ

 マヨネーズが健康に悪い要素は皆無。低塩分で高エネルギーのため、とくに腎臓が弱い人にはおすすめの調味料。サラダや唐揚げに使うのもOK。

【6】塩分制限はほどほどに

 慢性腎臓病では「1日6グラム」の塩分制限が求められるが、ほぼ不可能なので厳守は不要。まずは糖質摂取を控え、運動で内臓脂肪減を優先。

【7】買い物で表示ラベルを確認

 スーパーやコンビニの加工食品の多くに含有される「リン」に注目。リンの多い食材を日常的に摂取すると、腎機能が低下。

【8】箸を休めながら食べる

「ひと口30回咀嚼」「噛んでいる間は箸を持たない」習慣をつけることで食欲の暴走を抑え、血糖値スパイクや中性脂肪蓄積が予防できる。

【9】缶ビールは2本までOK

 アルコールは「適量」なら肝臓に大きな影響を与えることはない。ビールなら、1日に350ml缶1〜2本が目安。適量のビールは血液サラサラ効果も。

写真/PIXTA

※週刊ポスト2026年4月10日号

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