【最新の医学研究】認知機能の維持に!「Googleアカウント」を活用した“脳ビルディング”の方法を認知症専門医が解説
Googleのサービス活用エピソード1
Aさん(65歳)きっかけは「紫陽花が咲かない」
Aさんにとって、スマホは親しい人との電話と、散歩中に出会う花の撮影、LINEのビデオ通話で孫と話すためのもの。それ以外の機能はほとんど使ったことがありません。「デジタルの世界は私には難しすぎるわ」と、いつも新しいことを始めるのをためらっていました。
そんなAさんの楽しみは、庭で育てている紫陽花でした。しかし今年は、いつもより花つきが悪く、葉ばかりが茂っています。「どうしたらいいのかしら……」と悩むAさんに、遊びに来ていた大学生のお孫さんが言いました。
「おばあちゃん、それならGoogleで調べてみたら?」
Aさんは半信半疑でしたが、お孫さんに操作方法を教えてもらいながらGoogleアカウントを作りました。そして、最初に使ったのがGoogle検索です。
検索バーに「紫陽花 花が咲かない 原因」と入力すると、驚くほどたくさんの情報が出てきます。そのなかから「剪定の時期が大切」という記事を見つけました。さらに、お孫さんが教えてくれたYouTubeで「紫陽花の剪定方法」を検索すると、プロが丁寧に説明している動画がたくさん出てきました。
Aさんは動画を見ながら、ハサミを入れるべき場所をじっくりと確認しました。剪定を終え、ほっと一息ついていると、お孫さんは「今年は鎌倉で満開の紫陽花を見てきたら?」と提案してくれました。
プチ旅行から思いがけない広がり
翌日、AさんはGoogleマップを使って、鎌倉の紫陽花の名所を調べました。最寄り駅からお寺までの道順や所要時間を事前に確認できたことで、1人での外出も不安はありません。スマホを手に、地図に示されたとおりに歩くと、迷うことなく目的地に着くことができました。
夕方、帰宅したAさんは、鎌倉で撮ってきた紫陽花の写真を見ながら、プチ旅行を振り返りました。それらの写真は、設定しておいたとおりGoogleフォトに自動で保存されていました。すぐにお孫さんと写真を共有してみると、「すごいねおばあちゃん、写真きれいだね!」と返信がありました。
「Googleアカウントがあると、こんなに簡単に孫と写真のやり取りができるのね」と、うれしくなったAさん。故郷の友人の年賀状に印刷してあったメールアドレスにもGmailを使って写真付きのメールを送ってみました。
「鎌倉に紫陽花を見に行ってきました。昔、あなたのご実家の玄関にも同じ色の紫陽花が咲いていましたね。懐かしく思い出しました」
すると翌日には返事が届き、この十数年、年賀状だけの付き合いになっていた友人と、日常的にメールを交わすようになって、Aさんは毎日の楽しみが増えました。
教えてくれた人
内田直樹さん
認知症専門医。医療法人すずらん会たろうクリニック院長、精神科医、医学博士。1978年長崎県南島原市生まれ。2003年琉球大学医学部医学科卒業。福岡大学病院、福岡県立太宰府病院を経て、2010年より福岡大学医学部精神医学教室講師。福岡大学病院で医局長、外来医長を務めたのち、2015年より現職。日本老年精神医学会専門医・指導医。著書に『早合点認知症』(サンマーク出版)ほか。
