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エンディングノート調査で判明「作成者の資産額、60代以上が7割」親子間ですれ違いのない書き方を専門家が指南

 自身に何かあったときのために、自身の資産状況や遺族へのメッセージ、また、遺族が様々な手続きを進める際に必要な情報などを書き留めておくエンディングノート。しかしいざ早めに作成をしておこうと思っても、どんなことを書けばいいのか迷ってしまう、という人も多いのではないだろうか。エンディングノートに親が記載した項目と子供が書いて欲しかった項目のギャップについての調査結果から、残された人がエンディングノートに求めている内容を見ていく。

親子間でエンディングノートの記載内容にギャップが

 エンディングノートとは、自身が亡くなる、もしくは高度障害になる前に、自身の資産状況や遺族へのメッセージ、葬儀やお墓の希望など遺族が死後の手続きを進める際に必要となる情報などを書き留めておくためのノートのこと。終活のひとつとしてエンディングノートを作成する人も増えている。その一方で、子供が親にエンディングノートを作成しておいて欲しいと思っていても、話を切り出すタイミングが難しい、親の死を意識したくないといった理由から、子供から親へ勧めることが難しいといった現状も。

 そこでGOODREIは、エンディングノートを子供から親へどの程度勧めているのか、また子供から勧められた親がエンディングノートを実際に作成しているのか、親がエンディングノートを作成した10代から60代の男女を対象に調査を実施。エンディングノートに親が記載した項目と子供が書いて欲しかった項目を比較してみると、双方でギャップが大きいのは遺産相続配分やID・パスワードの記載であることが明らかになった。

作成時の親の年齢は60代以上が約7割

 まず最初に、エンディングノート作成時の親の年齢について調査を行った。すると70代以上が全体の半数、60代以上が全体の73%を占める結果となった。なお、親子の組み合わせでは子供60代-親80代という組み合わせが全体の12%で最多だった。

紙媒体が圧倒的多数!ノートの作成方法

 次に、エンディングノートの作成方法について尋ねた。大きく分けると紙媒体とデジタル媒体に分かれるが、紙媒体が72%と圧倒的多数を占める結果に。これは上記の調査が示す通り、作成者は60代以上が大半であるため、紙媒体の方が親和性が高いのだと考えられる。また、紙媒体の中でも市販のエンディングノートを使った人が34%で最も多かった。

作成時の親の資産額は国内平均より多い傾向に

 また、エンディングノート作成者の資産額を国内平均と比較すると、エンディングノート作成者の方が資産額が多い傾向であることが判明した。特に、3,000万円以上の資産を保有している割合が、国内平均では20%に対して、エンディングノート作成者の場合は30%と10%も高い結果となった。やはり、資産額が多い方の人がエンディングノートを作成することで、財産分配や遺産相続を円滑化する必要性を感じているようだ。

エンディングノート記載事項の親子間ギャップも明らかに

 最後に、エンディングノートの記載事項について、親が実際に記載した項目と子供が記載して欲しかった項目のギャップについて調査を行った。その結果、親が書いた項目の上位は「財産・資産状況」「葬儀・お墓の希望」「介護・医療の希望」だったのに対して、子供が書いて欲しかった項目の上位は「財産・資産状況」「遺産相続配分」「葬儀・お墓の希望」となった。子供の方がより財産や遺産など資産に関する情報を親に整理してほしいという意向が窺える。

 その結果もあり、子供と親で特にギャップが大きかったのは「遺産相続配分」と「ID・パスワード」となった。これらは、子供が書いて欲しいと思っているのに対し、実際に記載している親は少ないという状況だ。特に昨今のデジタル遺品(パソコンやスマホなどのデジタル機器に保存されたデータやインターネット上のアカウントなど)の増加に伴い、それを利用するためのID・パスワードを整理しておいて欲しいという要望が子供側で高まっていることが見て取れる。

親子間ですれ違いのないエンディングノートを作成するために

 Sfil法律事務所の代表弁護士である坪内清久さんは、今回の調査結果を受けて以下のように語っている。

「親としては自身の“葬儀・お墓の希望”“介護・医療の希望”といった万一の場合の扱いを明記しておくという意向が強いのに対して、遺族となる子供側は資産や遺産相続に重きを置いて親に情報を整理しておいて欲しいと考えていることが明確です。今後もエンディングノートの作成をする人が増え、万一の事態があった場合に遺族が相続で困ることがないよう、本調査を踏まえて“財産・資産状況”“遺産相続配分”“ID・パスワード”といった事項が明確に残されていくことを期待します」

 いざという時のすれ違いで困らないためにも、子供側が残して欲しいと思っていることについて、家族間でも早めに相談しておくといいだろう。

【データ】

GOODREI
https://goodrei.tokyo/

【新・相続実態調査】「エンディングノート、遺産相続配分やID・パスワードの記載に親子間のギャップ」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000147234.html

【調査概要】

調査目的:子供がエンディングノートに書いて欲しいと思っている項目と、親が実際に記載した項目のギャップの把握
調査年月:2024年10月
調査方法:Webアンケート調査
調査対象:親がエンディングノートを作成した10代~60代の男女
回答者数:480人
回答者平均年齢:47才

※GOODREIの発表したプレスリリース(2024年12月2日)を元に記事を作成。

図表/株式会社GOODREI提供 構成・文/秋山莉菜

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