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「80代の母、骨量をコツコツ増やす2つの食材」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第34話

 山口県で母とふたりで暮らす漫画家で栄養士の資格をもつうえだのぶさん。原因不明の慢性膵炎を抱える母は、フレイル状態となり一気に老いが加速。1年に及ぶ通院生活を経て回復し、なんと骨まで元気に――。80代の母の骨量がアップした経緯を振り返る。

母の骨量がピンチ!

 母がフレイル状態MAXだった今年2月のこと。内科で骨量検査を受けた母が車の中で悲しそうに叫びました。

「のぶちゃーん!骨量がぶち減っちょったー!」

 昨年夏にあった骨量(単位、mmAI)が「2.20」から「1.83」に減ってたんです!(約10%減)。

 今まで100%超えだった対年齢比も一気に下がって92%に!

 それを聞いて「しまった~!!」と顔面蒼白になる私。思い当たることがあったんです。

 わが家では毎朝脂肪ゼロのヨーグルトと、スキムミルク入りの飲み物がルーティンでした。

 ただし、骨量検査の2か月前くらいからこの2つをやめていたんです。

 実は、ネットで「膵石(膵管にできる石)の原因は乳製品由来のカルシウムかも?」という研究の論文を見つけて……。

 いえ、膵臓の主治医の先生からは「膵石の原因は食べ物ではありません」と明言されているんです。この論文も研究途中です。なのに、もしかしたら…という気持ちで、乳製品断ちを実行してしまいました。

 もしかしてそれが原因? うわ~~~やってしまった~~!!!

 内科の先生の見解は「ずっと飲んでいる骨粗しょう症予防の薬が効かなくなってきたんでしょう」とのことで、新しい薬に変えることになったのですが、私はその日から即、ヨーグルトとスキムミルクを再開しました。

7か月後、骨量はどうなった?

 そして9月。再び骨量検査を受けたところ、結果は……

「のぶちゃーん!骨量増えちょったーーー!」

 数値は「1.83」から、「2.12」へ! 約15%増!対年齢比は107%!

 良かったああああ~~~~!!!!!

 先生は「新しい薬が良く効きましたねー♪」とご機嫌だったそうです。

 食事の効果は???エビデンスがないのでわかりません。もちろん薬の影響が大きいと思います。骨量が減った原因も食事じゃないかもしれません。

 ただミラクルなタイミングでこういう出来事があったのは事実で…。これ以来、食事のバランスに一層気合の入るわたくしでした。

 ちなみに母、先日受けた健診の結果も、血糖値・BMI・中性脂肪・LDL/HDLコレステロールすべて正常の範囲内でした(コレステロールの薬は飲んでいます)。

 内科の先生から「素晴らしいですね」と言われたそうです。これは間違いなく私の食事のおかげです(と思いたい)。

 と、こんなに健康な母ですが、現在膵管内に小さな石が2つあって、いつまた詰まるかわからないという状況なんです。石を取り出す手術の方がリスクが大きいので、現状は様子見。次の検査は12月です。

 私にできるのは母の膵臓の健康を維持するため、脂質に気を付けた食事を作ることだけ。それを考えると時々はがゆくてやりきれない気持ちになります。

 でもそんな時は、母のスローガン「元気なうちに人生を楽しむ!」を思い出して、次の「楽しいこと」を考えることにしています。

 あ、そうそう。母、最近「白髪染め」をやめたんですよ。これがまた笑える騒動で…。(次回に続く)

NOオイルMemo「骨を意識したおかず」

 栄養士のぶさんが膵炎の母によく作る骨を意識したおかずがこちら!

 骨粗しょう症の予防は、カルシウムだけじゃなくて、

・骨の成分=カルシウム・たんぱく質

・カルシウムの吸収を助ける=ビタミンD

・骨の形成を助ける=ビタミンK

 あとは運動だったりと、色々な要素が必要です。

 小さなことをコツコツ、ですね。

 骨だけに(失礼しました!)。

骨量UPを目指す!脂質も少な目「厚あげのきのこあんかけ」

【作り方】

 厚あげは油をひかず弱火でじっくり焼くと、揚げだし豆腐っぽい感じになります。

 めんつゆを水でうすめ(かけつゆ程度)、刻んだまいたけを火が通るまで煮て、片栗粉でとろみをつけてあんかけに。厚揚げにあんをかけ、ゆでた小松菜を添えて完成。

 厚揚げは同じ量の木綿豆腐よりカルシウムの量が多く、まいたけはビタミンDが摂れる食材のひとつ。小松菜はビタミンKが摂れます。

 そして、脂質は厚あげの油※だけです。

※厚あげの脂質は約10g/100g中。商品によって数値は変わります。

 この一品で必要な栄養素をすべて摂るのは無理ですし、かえってストレスになっちゃいます。

 量は気にせず、この食材でこんな栄養素が摂れるんだーと、関心を持ってもらえたら嬉しいです♪

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絵と文

漫画家・うえだのぶ

うえだのぶさん

イラストレーター・漫画家。58才。山口県で82才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja

●【新連載】NO老いるLIFE ~母と娘のほんわか口福日誌~ 第1回「母の膵臓が!救急搬送の夜」

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