「食べたい」と思える高齢者食を!93才料理の鉄人・道場六三郎さんが監修「おいしい!は、生きるよろこびなんだ」
年を重ねると「噛む力」や「飲み込む力」といった食べる機能が衰えやすい。とはいえ、何才になっても食事は楽しみたい。七日屋から、道場六三郎さんが監修した⾼齢者向け冷凍食メニューが発売になった。
高齢者は食事量が減少し、摂取する栄養が低下しやすい
年を重ねると身体機能が低下し、食べ物を噛む力や飲み込む力が弱くなってくる。食欲旺盛な若い頃には難なく噛みきれていた食べ物でも、高齢者にとっては食べにくくなり、さらに、味覚も衰え、味を感じにくくなるため「食事が美味しくない」「食べることが面倒だ」と感じる人も増えていく。
食事が疎かになると、体調不良や体重減少のリスクが高くなり、転倒や寝たきりの危険性が高まる。人生100年時代と呼ばれる今、健康寿命を延ばすためには規則正しく、栄養バランスのとれた食事を続けることが大切だ。そんな中、嚥下食・介護食・高齢者食といった、体調や噛む力・飲み込む力に合わせて安全で安心して食べられる食事に注目が集まっている。
料理の鉄人で“和の鉄人”として知られる道場六三郎さんが高齢者向けメニューを考案
「いつまでも、いくつになっても、おいしい!は、生きるよろこびなんだ。」という想いを込めて「100歳ごはん」を展開している七日屋。食感・香り・味付けなどにとことんこだわり、かんたんに解凍して美味しく食べられる嚥下食を開発している。
今回は、93才の和の鉄人・道場六三郎さんとの夢のコラボレーションが実現。道場六三郎さんが得意とするオリジナルメニューの中から、8品を厳選。究極の冷凍食『道場六三郎/100歳ごはん/やわらか仕上げ』が、2024年8月から発売を開始した。食べ飽きないような味付けと豊富なメニュー展開がポイントだという。
「銀座ろくさん亭」で現在も現役で腕をふるう道場六三郎さんは、認知症の奥様の介護と自宅での看取りを経験している。⾼齢者でも美味しいと感じ、必要充分な栄養がとれるように配慮し、噛みしめに自信がなくても安心して口にできるといった工夫には、鉄人の技と実体験が少なからず影響しているだろう。
冷凍総菜の「常識」を覆す美味しさで高齢者に食べる喜びを
冷凍食の特長は、道場六三郎さんならではの独創性だ。鶏のから揚げは、噛みやすい柔らかさと、中はジューシーに仕上げ、秘伝のタレで味付けすることで、高齢者でも食べやすい。また、お米でつないだやわらかハンバーグは、ふっくらとした食感と優しい味わいで、肉汁が溢れ出すジューシーさはそのままに食べやすくなっている。
<「道場六三郎の100歳ごはん」ラインナップ>
【1】『お米でつないだ、やわらかハンバーグ』
やわらかく炊いたお米をつなぎに使ったハンバーグは大人気。お米と肉汁の甘さが口中にひろがる美味しさ。
【2】『鶏のゆっくり揚げ、秘伝ダレ添え』
低温で揚げて、やわらかくジューシーに。繊細なおいしさの鶏肉や白身魚に合う道場秘伝のタレとともに、どうぞ。
【3】『イワシ生姜煮』
お箸でほぐれて食べやすい、いわしの煮魚。圧力なべでゆっくりと、骨までやわらかく仕上げた。
【4】『鶏のやわらか照り焼き』
とかく表面がパリッと硬くなりがちな照り焼きを、鉄人の知恵で、柔らかく、香ばしく仕上げた。
【5】『なすのオランダ煮』
石川の郷土料理、なすのオランダ煮。揚げたなすを、甘辛く醤油、みりん、砂糖でとろとろになるまで煮込んでいる。
【6】『肉じゃがの煮くずし』
煮くずれする手前まで煮込んだ肉じゃが。牛肉もほろほろと、驚くほどのやわらかさで楽しめる。
【7】『やわらか肉団子』
万人に好かれるメニューである肉団子をちょっとだけリッチに。トウチー醤が肉のうまみを深め、コク豊かな味わい。
【8】『お揚げの山椒煮』
大豆のうまみと揚げたコクがおいしい厚揚げを、粒山椒をピリッと効かせて炊いた逸品。
開発には介護施設で暮らす高齢者の声も反映
メニューの開発には、高齢者施設の入居者にも何度も試食をしてもらい、意見を取り入れながら、やわらかさや味付けの工夫を重ねた。道場さんの元気な姿を見て「元気になろう!」と活力を取り戻した人もいたそうだ。
見た目も味わいも華やかで、自宅で召し上がっているとは思えないような満足感を得られるよう細部までこだわっている。食材は厳選された素材を使用し、素材本来の風味を生かした優しい味付けに仕上がっている。将来的にはメニュー数は50品を目指し、今後も積極的に開発を進めていく予定だ。
「美味しい」と感じる食事ができれば、健康にも気を使うようになり気力や体力も向上しやすい。若い頃とは同じようにならないからこそ、簡単で美味しく、栄養バランスも整った嚥下食や高齢者食を活用してみるのもいいだろう。
【データ】
『100歳ごはん』試食イベント開催の様子(動画)
※七日屋の発表したプレスリリース(2024年8月6日)を元に記事を作成。
写真/七日屋提供 構成・文/松藤浩一
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