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介護食の宅配サービスの選び方|種類やメリット・デメリット「無料お試しから始めるのがおすすめ」【管理栄養士解説】

 高齢の親の介護が始まると、悩ましいのが毎日の食事作りだ。そこで活用したいのが、食事の宅配サービス。中でも、介護が必要な人にも食べやすい状態に調理された”介護食”の宅配サービスという選択肢がある。管理栄養士の川鍋仁美さんに、介護食の宅配サービスの種類や選び方などについて教えてもらった。

教えてくれた人/管理栄養士・川鍋仁美さん

管理栄養士。2児の母。大学卒業後、総合病院に勤務。介護食・嚥下食などの献立作成や栄養相談など行ってきた経験を活かし、現在はデイサービスで高齢者の栄養サポートなどを行う。介護する人もされる人も笑顔になれる「介護食作り」を目指し、活動中。「管理栄養士が伝授!いちばんやさしい介護食ガイド」の運営・執筆も手がける。https://eiyousupport.com/

高齢者向け「介護食」の宅配食とは

 調理済みの食事を自宅まで届けてくれる「宅配食」のサービスは、世代を問わず多くのかたに利用されています。最近では、高齢のかたでも食べやすい形状にした介護食の宅配食も増えてきています。

 介護食の宅配食は“食べやすさ”に配慮されているので、高齢者でも自分に合った食事を選ぶことができ、同時に栄養バランスにも配慮されているので健康維持にも役立ちます。

 介護する側にとっても買い物や調理の手間を省くことができるため、負担軽減につながります。

介護食の宅配を選ぶときのポイント

 介護食の宅配食を利用しようとした時、多くはネットで検索したり、地域で配られるチラシを参考にしたりする場合が多いと思います。

 とくにネットで検索した場合は、たくさんの会社からいろいろな種類の宅配食が提供されているので迷ってしまうかたも多いのではないでしょうか。

 また、お住まいの地域によっては、自治体経由で介護食の宅配サービスを契約することで、助成金が出るケースもあります。要介護認定を受けていることなど要件がありますので、お住まいの地域包括支援センターや、ケアマネに相談してみてください。

 以下で、介護食の宅配食を選ぶときのポイントを紹介していきます。

宅配食は2種類「冷凍宅配型・配食サービス型」

 宅配食には大きく分けて2つの種類があります。

【1】「冷凍宅配型」…冷凍された食事を何食分かまとめて宅配してくれる。

【2】「配食サービス型」…毎日できたての食事を常温または冷蔵で配達してくれる。

【1】「冷凍宅配型」のメリット・デメリット

「冷凍宅配型」の場合は、数か月保存がきく冷凍の食事がまとまって届くので食べる時間や頻度も自由に決められるところが便利です。

 一方で、食べる際には本人もしくは家族が宅配食を解凍する作業・またその環境(電子レンジや湯煎など)が整っている必要があるため、それらが自分でできない高齢者には不向きと言えます。

こんな人におすすめ

・本人が電子レンジを使える(または同居している)

・必要な時に必要な分だけ食べたい

・遠距離介護をしている

・ある程度食事のストックしておきたい

【2】「配食サービス型」のメリット・デメリット

「配食サービス型」の場合、すぐに食べられる状態の食事が配達されるので特別な作業は不要です。

 一方、保存が利かないので配達されたらその日のうちに食べ終える必要があります。

 配達員が定期的に自宅に訪問することで見守りやコミュニケーションに繋がる場合も。配達の際、本人が受け取れなかった場合にはケアマネジャーや家族に連絡して安否確認を行ってくれるサービスなどもあります。

こんな人におすすめ

・毎日(定期的に)作りたてのものを食べたい

・遠距離介護をしている

・親の毎日の食事が心配

・本人の安否確認も頼みたい

きざみ食やソフト食など種類も豊富「希望の形状を相談してみて」

 介護食の宅配食は、高齢のかたでも食べやすいやわらかさや大きさに調理されています。

 一般的な食事のほかに、ひと口大食、きざみ食、ソフト食など種類も豊富です。噛む・飲み込む機能はひとりひとり違うため、その人に合った状態の食事選びをすることが『誤嚥』などのトラブルを防ぎ、おいしく食べることへ繋がります。

 とくに「配食サービス型」は、ホームページ上に記載がなくても電話で相談すると普通食を指定の大きさに切って対応してくれる場合も多いので、まずは電話で希望の内容を相談してみるのがおすすめです。

 また、管理栄養士が監修している宅配食の場合、おいしさに加えて栄養面に配慮されています。選ぶ際に管理栄養士に電話で相談できるサービスを行っていることもあり、そのかたにあった食事を選べるので安心です。

支払い方法は?価格は1食600~900円、現金払いも可

 介護食の宅配食の価格は、1食あたり600~900円程度のものが多いです。

「冷凍宅配型」の方が価格的には安い場合が多いですが、まとまって届くため送料がかかる場合があります。

「配食サービス型」の場合、大抵1食から配達してくれて送料はかからないことがほとんどです。

 支払い方法は、「冷凍宅配型」だと郵便局・コンビニ後払い、または代金引換、クレジット払いなどがあります。「配食サービス型の場合も大抵は同様ですが、配達の時にその都度「現金払い」に対応しているケースもあります。

お試し注文から始めてみるのがおすすめ

 お試し注文ができる場合、無料もしくは本来の価格より少し安く購入できます。実際にお試し注文で試食をして、味やボリューム・形状など納得してから選ぶといいでしょう。

 高齢者の場合、量が多くて翌日に残して食べているというかたも多く、食べきれる量かどうかを確認するためにも、お試ししてみるのがおすすめです。

 お試し注文ができるかどうかは、大抵ホームページ上に記載されていますが、電話で試食したい旨を伝えると対応してくれる場合もあります。

「初回限定」のケースが多いので、初めて注文を検討している場合はぜひ利用してみるとよいでしょう。

お試しOKの介護食の宅配サービス

・宅配クック123
https://takuhaicook123.jp/

・LIFE DELI
https://lifedeli.jp/

・まごころ弁当
https://www.magokoro-bento.com/

 次回はお試しができる介護食の配食サービス型を実際に注文し、試食レポートをご紹介します。

●「冷凍した手作り介護食をこたつで解凍はNG」介護食のとろみ剤、作り置き、冷蔵・冷凍保存、解凍の注意点を徹底解説

●【介護食】注目の新商品実食レポート!かまなくてよい「おもち」高カロリーの「おかゆ」牛丼チェーン店の「親子丼」

●特別な日に食べたい介護食「吉野家の牛丼」「うな重」「おせち」を実食!見た目も味も大満足

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