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健康

見直したい!NGな入浴習慣「一番風呂・ボディーソープ・長風呂・毎日のシャンプーは要注意」

 世界でも日常的に湯船につかる習慣があるのは日本だけで、銭湯が普及した江戸時代に定着したとされている。医学が発達した現代では、健康長寿につながるメリットが研究で次々と明らかになっている。うつや要介護に陥ることを予防する効果も期待できるという。だからこそ、“間違った入浴法”で健康を害するようなことがあっては本末転倒だ。そこで、専門家に気を付けるべきに入浴習慣について訊いた。

教えてくれた人

医学博士 温泉療法専門医/早坂信哉さん

内科医 秋津医院院長/秋津壽男さん

一番風呂には塩素たっぷり

 入浴で気をつけたいポイントは、温度や湯量以外にもある。浴研究歴25年で、これまでに4万人以上を調査してきた医学博士で温泉療法専門医の早坂信哉さんが解説する。

「一番風呂を好む人は結構多いのですが、医学的には推奨されません。1つ目の理由は塩素が入っているから。水道水なので塩素が入るのは避けられないのですが、皮膚が弱い人などは炎症を起こすケースもある。塩素は人の垢と結合して効果が薄れるので、2番目以降に入れば、ピリピリした感覚が減少する効果が期待されます。2つ目としては、日本の水道水にあまりミネラル分が溶けていないこと。体内との濃度差で肌に刺激を与えてしまうのです」(早坂さん)

●どうしても一番風呂に入らなければいけないときは入浴剤の使用を

 しかし、人によっては一番風呂を避けられない場合もある。そうしたときは、入浴剤に頼るべしと早坂さんは続ける。

「入浴剤には塩素を除去してくれる成分やミネラル分が入っていることが多いので、肌への負担を軽減してくれます。医薬部外品という表記があれば、有効成分について厚生労働省が認めているものという証左にもなるので、選ぶときの参考にしてみてください」(早坂さん)

過度のシャンプー・リンスの使用は要注意

 入浴では洗うのが先か、つかるのが先か、という議論もあるが人によってさまざま。むしろ、洗い方について意識を傾けたい。内科医で秋津医院院長の秋津壽男さんはこう言う。

「シャンプーやリンスの過度な使用は避けてほしい。汚れが気にならないならば、シャンプーやリンスを使うのは週に2度で充分だと思います。髪の毛の表面には水分やたんぱく質を保護するためのキューティクルがあり、それを守るために、毛根に皮脂腺があります。シャンプーやリンスはその皮脂を落としすぎてしまう。ヘアスプレーやワックス、ムースなどの整髪剤を使っていても、お湯だけで落とせます」(秋津さん)

ボディソープでゴシゴシ洗わない

 年を重ねると体の皮脂も減少するため、体を洗う際にも注意が必要だ。

「女性の場合は30代を過ぎると皮脂の減少が著しくなります。顔やおしり、脇の下など比較的皮脂が多いところや、においが気になるところ以外はボディーソープや石けんは使わない方がいい。少なくとも毎日の使用は必要ありません。湯船に入るだけでも汚れは落ちるので、まず湯船につかって皮膚を柔らかくしてから洗うとゴシゴシこすらなくてもいいですよ」(早坂さん)

 秋津さんは、「ボディーソープよりも石けん」と推す。

「液体状のボディーソープと固形の石けんは成分が異なります。ボディーソープにはねっとりとした触感や、洗い上がりに肌がキュッとした感じが残る。あれはシャンプーと同じラウリン酸という脂肪酸石けん成分が含まれ、界面活性剤が使用されているものも多く、皮膚にどうしても残ってしまう。手軽さから液体を選ぶなら、せめてそれらが含まれない石けん系のボディーソープを使ってください」(秋津さん)

入浴は寝る90分前にすませるのがベスト

 浴槽入浴は質のいい睡眠にもつながるが、寝る直前に入るのはNGとされている。それは「体の体温が下がりきらない」ことにある。

「人間は体温が上がると寝つけないんです。ちょうど体温が下がってきたときに入眠することで深い眠りを得られる。入浴から90分ほど経つと体温が下がり始めるので、入浴は寝る90分前にすませるのがベストです」(早坂さん・以下同)

 運動や食事の前後も避けた方がいいとされる。これもまた血流に起因しているようだ。

「お風呂に入ると、血液は皮膚の表面に集まります。すると、本来消化のために消化器系に行くべき血液や、筋肉に行くべき血液が行き届かなくなってしまう。消化不良を起こしたり、運動の効果を減らしてしまうことになるため、食事や運動の前後30分は入浴を避けた方がいい」

 身も心も浄(きよ)め、銭湯など社交の場としても日本の風呂文化は発展を遂げてきた。風呂好きな国民性は世界でも類をみないほどだが、“過ぎたるはなお及ばざるが如し”は入浴の温度も決して例外ではない。正しい入浴法をマスターしてこそ健康への道が拓かれる。

他にもある!いますぐ見直したいNG習慣

・スマホを見ながらの長風呂は脱水症状になる恐れあり。

・毎日のシャンプーで頭皮が乾燥してしまうこともある。

※女性セブン2024年6月6日号
https://josei7.com/

●「湯舟につかるのは“最強健康術”」でも正しく入らなければ逆効果「42℃以上のお風呂に入ってはいけない」と専門家

●お風呂で免疫力アップ!医師が教える正しい入浴12のルール

●高齢者は避けるべきお風呂の入り方3つ…朝風呂、食後すぐの入浴、あと1つは?

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