「小分けで5食」「間食」「ベジファースト」で健康寿命を延伸!血糖値の急上昇&血管の老化を防ぐ食事法を専門家が解説
老化する原因のひとつとして普段の食生活が大きく影響している。日々の食事の選択を間違えると、老化のスピードが増したり、病気になりやすくなるため注意が必要だ。何気なくやっている「老化の分かれ道」となる行動を専門家が解説する。
教えてくれた人
吉村芳弘さん/熊本リハビリテーション病院サルコペニア・低栄養研究センター長、佐野こころさん/医学博士、望月理恵子さん/健康検定協会理事長・管理栄養士
健康寿命は食事によって変わってくる
年齢を重ねていくと、体は自然に老いていくもの。だからこそ、いつまでも老けこまず、若々しくいるためには体の内側に気を配らなければいけない。
熊本リハビリテーション病院のサルコペニア・低栄養研究センター長の吉村芳弘さんが指摘する。
「毎日の食事は肌や髪の毛、爪、筋肉、血管、内臓などいろいろな臓器の細胞の健康を保つことに使われています。つまり日々の食事の内容は、細胞の老化スピードに直接的に影響を与えているのです」
医学博士で、予防医学が専門の佐野こころさんが続ける。
「日本人女性の平均寿命と健康寿命には約12年の開きがあります。その健康期間の差は、生まれてから死ぬまで、どのような食事をしてきたかによって変わってくるのです」
「1日3食」より「小分けで5食」の方が血糖値の急上昇を抑えられる
食べ方など食生活を見直すことで老化に違いが出る。健康的な食事といわれる「1日3食」と、食べすぎを予防するといわれる「小分けで5食」なら選ぶべきは5食だ。
「同じ摂取エネルギー量であれば、5食に小分けする方が血糖値の急上昇を抑えられます。血糖値の乱高下が細胞を傷つけるので、5食の方が老化しません。また、空腹によるドカ食いが起きにくいのも、5食のいい点です」(健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子さん)
ほかにも、老化予防に効果的な食事法を以下で確認してほしい。
10年後も変わらない自分でいるために、食べるものは“おいしい選択”をしていこう。
究極の二択!普段私たちの食べ方で「老化予防にいいのはどっち?」
<究極の二択No.1>朝昼しっかり夜軽くVS朝昼軽く夜しっかり
老けない食べ方:朝昼しっかり夜軽く
【理由】
「同じ食事内容でも夕食の方が血糖値が上がりやすく、血管の老化が進みやすい。朝食をしっかりと食べることで体内の時計がリセットされ、ホルモンの分泌などを促し、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子の活性化にもつながる」(望月さん)
<究極の二択No.2>1日3食VS小分けで5食
老けない食べ方:小分けで5食
【理由】
「エネルギー摂取量が同じであれば小分けにした5食の方が血糖値の急上昇を防ぎ、血管の老化予防に効果的で、空腹によるストレスからの老化物質である活性酸素の発生リスクを下げる。また、空腹による過食のリスクを減らす効果も期待できる」(望月さん)
<究極の二択No.3>間食するVS間食しない
老けない食べ方:間食する
【理由】
「間食せずに食事と食事の間の時間が長くなると、次の食事での血糖値が急上昇しやすくなる。間食するなら糖質のないヨーグルトやゆで卵、ナッツなどを食べると、食事での血糖値上昇を抑えられる」(吉村さん)
<究極の二択No.4>ベジファーストVS脂質ファースト
老けない食べ方:ベジファースト
【理由】
「脂質ファーストは良質な脂質を最初に食べることで血糖値の上昇を緩やかにする目的だが、べジファーストの方が食物繊維による血糖値上昇対策だけでなく、野菜の方が脂質に比べてそしゃく回数が必要なため、より血糖値を抑える働きが期待できる」(佐野さん)
<究極の二択No.5>1日30品目VSたんぱく質中心の食生活
老けない食べ方:1日30品目
【理由】
「三大栄養素であるたんぱく質は必要不可欠だが、なによりも健康に大事なことはバランスのいい食事。たんぱく質の過剰摂取によって栄養バランスの偏りや、腎臓に負担をかける可能性がある食べ方は避け、彩り豊かにさまざまな食材を食べることを意識して」(佐野さん)
写真/PIXTA
※女性セブン2025年7月31日・8月7日号
https://josei7.com
●糖化・酸化を防ぐ!老けない食事の選び方「白米VSパン」「そうめんVSそば」【専門家監修】