「MCTオイルで1か月で3㎏減」医師自ら試して判明した内臓脂肪のビフォーアフターを公開
「油は健康に悪くて太るもの」という認識は過去の話。良質なオイルは健康効果が期待できる――。中でも注目なのがいま話題の「MCTオイル」。さまざまなパワーを秘めているMCTオイルだが、医師の齋藤真理子さんは、“脂肪燃焼効果”に着目。自身も1か月で3kgもの減量に成功したという体験談とともに、MCTオイルの働きや作用について解説いただいた。
教えてくれた人
齋藤真理子さん/山本メディカルセンター理事長・院長
日本形成外科学会専門医、分子栄養学認定医。体の内側から分子レベルでの健康を目指す。著書に『「内臓脂肪がなかなか減らない!」という人でも勝手に内臓脂肪が落ちていく食事術』(アスコム)。
注目の「MCTオイル」ダイエットにいい理由
介護の現場では以前から、低栄養の改善や、活動量をアップさせてフレイル状態の筋肉量を増加させるために活用されてきたMCTオイル。その健康効果に注目が集まり、いまではオイルをはじめ、MCT入りの飲料やお菓子などの商品も続々登場し、一般家庭への普及が進んでいるという。
「MCTオイルの健康効果の中で、最も注目を集めているのが、脂肪燃焼効果です」と言うのは、医師の齋藤真理子さん。自身もこのオイルを活用し、減量に成功したひとりだ。
「以前行っていたレコーディングダイエットは記録することを忘れてしまい、ジョギングなどの運動は忙しさを理由に中断。激しい糖質制限では体重をぐっと落とせましたが、きつくて長く続かず、すぐにリバウンド…。
当時の私は、多忙で慢性的なストレスも抱えており、疲労感に悩まされ、いつもイライラしていました」(齋藤さん・以下同)
医師が試して実感「MCTオイル」のパワー
患者にはやせるように指導しているのに、自分はやせられない。そんなジレンマを抱えながら、齋藤さんはできるだけラクに、そして健康的に、一瞬ではなく永遠に内臓脂肪とサヨナラできる方法はないかと悩んでいたという。
「そんな中、MCTオイルにさまざまな病気の改善や予防効果があることを知り、上手に摂ればダイエットにも有効なのではと思いました。なぜ、そんな効果があるのかというと、MCTオイルはほかの油よりも素早くエネルギーに変わるからです」
人は体内の糖質を燃やしてエネルギーを作るが、糖質が足りなくなると、体内に蓄積されたたんぱく質や脂肪から「ケトン体」という物質を作り出し、エネルギーに変える。
「ところが、MCTオイルは中鎖脂肪酸なので分解されるのが早く、肝臓に素早く移動してケトン体を作り出し、すぐにエネルギーになるんです。MCTオイルを摂れば、糖質が充分に足りていてもケトン体が作られるので脂肪燃焼体質になり、勝手に脂肪が落ちていくようになるわけです」
1か月で3kg減量に成功「疲れにくくなった」
そこで、齋藤さんは自らの食事にMCTオイルを取り入れた結果、1か月で3kg減。腹部のCTスキャン画像を撮ってみると、脂肪が減っていることがはっきり表れていたという。
「月に1~2kgやせるのが理想なので、ちょっと急に落ちすぎかもしれませんが、2か月後に6kg落ちてからは、リバウンドもせずに無理なく続けられています。いまは体重の減少は止まりましたが、ダイエット前よりも疲れにくくなり、快調です」
快調な理由は、適正体重になったことに加え、体中にエネルギーがあふれ、体のあらゆる部位が活発に動くようになったからだ。
「代謝が上がったことで疲れを感じにくくなり、免疫力も上がり風邪など病気もしていません。肌にハリとツヤを取り戻して若返るというおまけつき。ダイエットしたい人はもちろん、子供は健康や集中力アップのために、シニアは筋力低下&認知症予防のために、積極的に摂ってほしいですね」
内臓脂肪のビフォー・アフターを公開
MCTオイルを摂取し続けた齋藤さんの変化を見てみましょう。
脂肪面積が1か月で16.47cm2減!
<Before>
内臓脂肪…64.04cm2
皮下脂肪…255.94cm2
合計…319.98cm2
<After>
内臓脂肪…58.10cm2
皮下脂肪…245.41cm2
合計…303.51cm2
効果的な摂取方法「1日大さじ1杯程度を目安に」
具体的にどう摂れば効果が得られるのだろうか?
「和食ならみそ汁に、洋食ならサラダに小さじ半分かけるだけ。摂った後ですぐにエネルギーに変わるため、通勤通学や掃除など、日常的な行動も脂肪燃焼のチャンスになり、一日を活動的にスタートできます。
昼食にお弁当を食べるなら、ご飯を温めずにMCTオイルをかけてみてください。冷えたご飯は食後血糖値の上昇を緩やかにするレジスタントスターチの量が増えるという性質があります。MCTオイルをかけることで、パサついたご飯もしっとりしておいしさがアップ。腹持ちもいいですよ」
夜は消化しきれず脂肪として蓄積されないよう、就寝の1~3時間前までに摂るといい。
「風味にくせがないので、料理を選ばず、少量で効果があるのが魅力です。ただし、MCTオイルは空腹時にいきなり摂ると胃腸が刺激されて不快感が出ることがあります。慣れるまでは、食べ始めからMCTオイルをかけずにある程度食べ進め、途中で小さじ半分程度をかけて食べましょう。摂りすぎるとお腹が緩くなるので、1食で小さじ1、1日トータルでも大さじ1程度を目安にしてください」
MCTオイルの効能が持続するのは3~10時間。少量をちょこちょこかけて食べ、間食時にプラスするのも血糖値を上げにくくするのに有効だ。
筋トレとセットでダイエット効果をさらに上げる!
MCTオイルをふだんから愛用している、なかやまきんに君は、約3年前、ボディービルの大会に向けてトレーニングに励む中、エネルギー不足を感じて取り入れたという。
「MCTオイルは、素早くエネルギーになって、体脂肪に蓄積されにくいのが魅力です。毎朝、緑黄色野菜やフルーツ、鶏胸肉を細かく刻み、バルサミコ酢と岩塩、MCTオイルをかけてボウルいっぱい食べています。オイルのあるなしで、その後の筋トレでのパワーが全然違います」(きんに君)
きんに君のようにマシントレーニングをしなくても、背中や下半身にある大きな筋肉を動かす体操を行えば、さらに脂肪代謝が高まる。
「隙間時間に“ちゃちゃっ”と体を動かす程度でも充分代謝が上がります。いつ行ってもいいですが、MCTオイルを摂って3時間以内に行うと、パフォーマンスが上がって効果的ですよ」(齋藤さん)
代謝を上げるラクやせ体操
齋藤さん考案のエクササイズは、1セット10回を目安に、空いている時間にいつ行ってもいい。
肩甲骨まわりを刺激する 「パタパタストレッチ」
腕を軽く曲げて体側に広げたら、鳥が羽を動かすようにパタパタと前後に動かす。前よりも後ろを意識して動かし、肩甲骨をグッと寄せるようにすること。息を止めずに10回以上動かすといい。
肩甲骨のまわりに集中している褐色脂肪細胞を刺激して活性化させ、基礎代謝量を高めてダイエット効果が期待できるエクササイズ。
ストレス解消になる「深呼吸スクワット」
人体で最も体積の大きい大腿四頭筋を鍛えることができるスクワットは、壁を背にして立って行うとラクにできる。深呼吸しながら行えば、脂肪もストレスもさらに燃える!
壁に沿うように立ったら、つま先を外側に向けてがに股で立つ。息を吸いながらゆっくりとお尻を落としてひざを曲げる。このとき、ひざが足先より前に出ないようにすること。息を吐きながら、お尻の穴を締め、元の姿勢に戻る。呼吸は口でも鼻でも可。
撮影/菅井淳子 取材・文/山下和恵
※女性セブン2024年4月18日号
https://josei7.com/
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