猫が母になつきません 第391話「えーあい」
先月の電気代が2万円を超えていました。いやな予感はしていましたがまさか…母と二人暮らしの時も2万円越えはなかったのに(泣)。原因は暖房費なのははっきりしています。家が古いので寒い、そしてほとんど外出しないので暖房はずっとつけっぱなし。居間につけているエアコンは引越してから買ったAIを搭載した最新式、節電もできると聞いていたのに…。がんばってくれているのだとは思います。
最近はいろんな家電にAIがついていて、AIが自分でいろいろ状況を判断して最適な運転をしてくれます。しかしうちのエアコンのAIとどうも気が合わない。突然ゴーッと強風を吹き出しはじめたり、ふと気づくと全然暖かくなかったり、一番困るのは寝ようと思って運転を停止をしたあとに自動でエアコン内部の「お掃除」が始まるのですがこれがやたら長くてうるさい。いや、よかれと思ってやってくれているのはわかるけど寝たいのよ。ちょっと今日はお掃除なしにしようと思ってリモコンでお掃除を中断しようものなら「次回は最後までお掃除をすることをおすすめします」とさらっと注意してから切れます。静かにしてほしいだけなんだってば…寝る前にちょっと悲しい気持ちに。情緒不安定で神経質で真面目すぎ。私はそんな性格のエアコンAIにストレスを感じています。
思えば母と私も性格が正反対で気が合わない親子でした。母は大雑把で少々散らかっていても、盛大に散らかっていても気にならない。むしろ多少散らかっているくらいが落ち着く人でした。私は掃除好きでホコリアレルギーなこともあって、いつも綺麗にしていたい。きっと母に言わせれば私は「情緒不安定で神経質で真面目すぎ」な人でした。しかし母にとってそれはまったくストレスではなく「使える召使い」がいることを喜んでいました。家族がいない私は将来AIのお世話になって生活するかもしれない。でも気が合わないとやっぱりストレスになるんだろうな。AIの方が私の性格を学習して合わせてくれるようになったりするのかもしれないけど、それはそれでむかつく気がします。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。