介護が始まる前に知っておきたい【要介護認定の申請方法】サービス開始までの流れを解説
要介護認定が出たらすぐサービスが使えるの?
浅井さん:「ケアプラン」という介護サービス計画書がないと、サービスを受けること
はできないんです。
記者N:「ケアプラン」ってどんなものですか? 誰がどうやって作ればいいんですか
?
浅井さん:「ケアプラン」は介護サービスを受けるにあたって、どのサービスを使うべ
きかなどを、その人の状態に合わせて決める計画書です。通常は、ケアマネが作成します。
【1】担当のケアマネジャーを決める
「要支援の場合は原則包括がケアマネを担当しますが、要介護の場合は民間の事業所(居宅介護支援事業所)に所属するケアマネの中から担当者を選びます。ケアマネ選定の助言は包括も行います。もし相性が合わない場合は、後で変えることも可能です」(浅井さん・以下同)
【2】ケアマネがケアプラン(介護サービス計画)のたたき台を作る
「ケアマネが利用者宅を訪問し、利用者と家族の状況や希望を確認、それをもとに介護やリハビリのプランを作成。介護区分によって支給限度額が違うので、利用できる金額と希望を擦り合わせて作ってくれます」
【3】ケアマネ、本人、家族、主治医、各サービス事業担当者などで「サービス担当者会議」を行う
「この会議では、たたき台を見ながらケアマネから内容の説明を受け、必要なサービス内容が入っているか、足りないものはないかなどを確認します。何か疑問があれば、ここで聞いておきましょう」
【4】サービス担当者会議での意見を反映して、ケアプランを決定
「ケアプランが決まっても、実際に利用してみないと有効かどうかの判断は難しいところもあるため、サービス開始後にもケアプランが最適かどうかの確認ができます。そのため要介護では毎月、要支援では3か月に1度、ケアマネが利用者宅を訪問します」
【5】各介護サービス提供事業者などと、契約を交わす
契約を交わしたら、いよいよ介護サービスの利用開始!
要介護認定が出たら信頼できるケアマネ探しを!
「介護をする上で欠かせない“ケアマネ”は、本人がこれまで通り生活できるよう、マネジメントをしてくれる専門職です。本人や家族の希望をしっかり聞いて、利用者にとって最適なプランを考えてもらうためにも、話しやすく、何でも聞けて安心感が持てる、信頼できるケアマネを見つけることがとても重要です」(浅井さん)
介護のカナメ!“ケアマネ”ってどんな人?
“ケアマネ”はケアマネジャーの略で、介護支援専門員のこと。合格率が20%以下という狭き門を通った、公的資格を持つ職業だ。
ケアマネは介護が必要になった人の立場になり、ホームヘルパーを派遣する介護サービス事業者などとの調整を行い、ケアプランを作成する専門職。ちなみにケアマネ業務の費用は全額介護保険から給付されるため、いまのところ本人の自己負担は発生しない。
「いまは高齢者にアドバイスしている私でも、父の介護に携わり、初めて介護保険を利用したときは、ケアマネとヘルパーの区別もつかず、ケアマネに父の着替えの介助をお願いしてしまったことがあります。わからないことがあったら、ケアマネに相談してくださいね」(浅井さん)
取材・文/苗代みほ イラスト/あらいぴろよ
※女性セブン2024年2月29・3月7日号
https://josei7.com/
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