兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第238回 睡眠導入剤のお話】
兄ボケ(この連載の通称です!)ファンのみなさま、お待たせしました!久しぶりに財前先生(仮)のご登場です。ライターのツガエマナミコさんが一緒に暮らす若年性認知症の兄の主治医なのですが、ドラマ「白い巨塔」の主人公・財前先生のように冷徹なのです。財前先生に、マナミコさんの苦悩がわかる日が来るのでしょうか!(←編集部の声)

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ブレない財前先生とゆるゆるお便さま事件
「施設に入れたいから薬を出してください、なのか、そうじゃないかの2択ですよ」
これは、先日の通院日に排泄コントロールができないと特養への入所は難しいと言われ、睡眠導入剤のことをご相談したとき、「結局、どうします?」という問に「どうしたらいいのでしょう?」とわたくしが問返ししたときの兄の主治医・財前先生(仮)の的を射たひと言でございます。
わたくしが決めかねているので、「二者択一ですよ、簡単なことでしょ」と背中を押してくださったのでございましょう。先生らしいブレない物言いに清々しささえ感じました。でもなんとなくこの先生から薬を出していただくのが嫌だなと思ってしまい、「今回は止めておきます」とお答えし、睡眠導入剤はいただかずに帰ってまいりました。
財前先生(仮)は「排泄コントロールできるような薬はない」ということと