イギリス発の最新長寿術「階段1日60段」は散歩の4倍の運動効果、心疾患や糖尿病のリスク低下に【医師解説】
【1】 日常生活の中で階段を利用することを心がける
【2】 一度で上り切れなかったとしても、1日の合計が60段になればOK
【3】 手すりを掴みながら行ってもいい
【4】 速度は自分のペースでいい
【5】 腰を痛めないように姿勢はまっすぐ
【6】 途中で休憩したり中断しても問題なし。苦しくなって息が上がると転倒が危険。がんばりすぎない
【7】 60段に届かなくても気にしすぎず、毎日継続することが大事
【8】 1段飛ばしで上ったり、速足で上るのは危険
【9】 下りは楽だが効果は充分。下りの比率を増やしてもOK
【10】「自分から進んでやる」を意識する
「1日階段60段」に匹敵するエクササイズ
毎日実践したいところだが、雨の日など天候によっては階段上りができない場合もある。そうしたときのために、同等の健康効果が見込めるエクササイズを紹介しよう。
運動強度を示す「メッツ」という単位がある。厚生労働省など公的機関から一覧が発表されており、それによると階段上りはゆっくり行うと「4メッツ」、速く上ると「8.8メッツ」に該当する。同程度の運動を上表にまとめたので、ぜひ行ってほしい。その中でも、代表的な筋トレである「スクワット」をすすめるのは菅野さんだ。
「スクワットは足の筋肉に負荷がかかるため、階段上りと同じく循環器系疾患の予防になります。家で1mほどのスペースを確保し、前後に反復して繰り返す軽いジョギングとスクワットを交互に30秒行う『ホームサーキット』を合計10分行えば、60段以上の効果が見込めます」(菅野さん)
石井さんは玄関などの段差を利用した「昇降運動」を推奨する。
「階段を上り下りしているのと同じ動作にあたります。注意点は踏み出す足を左右交互にすることです。何も考えずに行うと、右足で上って左足から下りる行為を繰り返すだけになり、右足だけしか鍛えられないことになります」
もし片足だけが筋肉痛になったら、左右の足を交互に使えていない証拠。左右の足で筋肉量が変わると、歩行時のバランスも崩れてしまうので気をつけたい。運動は継続こそ力なり。健康を得るためにも楽しく無理なく続けていきたい。
ゆっくり階段を上がる(4メッツ)に近い身体活動
・スクワット (3.5メッツ)
・風呂掃除 (3.5メッツ)
・屋根の雪下ろし (4メッツ)
・ラジオ体操第1 (4メッツ)
・やや速足/時速約5.5㎞ (4.3メッツ)
・水中歩行 (4.5メッツ)
速く階段を上る(8.8メッツ)に近い身体活動
・0~4.1kgの荷物を持って山登り(6.5メッツ)
・ジョギング (7メッツ)
・エアロビクス (7.3メッツ)
・重い荷物の運搬 (8メッツ)
・ランニング/時速約8km(9メッツ)
※厚生労働省e-健康づくりネット「生活活動のメッツ表・運動のメッツ表(2023年8月版)」より。
※メッツとは安静時(静かに座っている状態)を1としたときと比較して、何倍のエネルギーを消費しているかを表す単位。
※女性セブン2024年2月8日号
https://josei7.com/
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