体が硬い人へ「はじめてのヨガ」初心者におすすめ1周約5分の「月の礼拝」で柔軟性アップ!
「ヨガに体の柔軟性は関係ありません。むしろ硬い人の方が効果を感じやすいんです」。そう話すのは、ヨガインストラクターの水野健二さん。かくいう水野さんも、体が硬いのだという。それなら私も…と興味をひかれたあなた。憧れのポーズを目指してレッスンしませんか?
教えてくれた人
■ヨガインストラクター・水野健二さん/水野ヨガ学院代表。独自のヨガ・メソッドを築き上げ、インストラクター養成コースで400名以上に指導。現在は個人的にオンラインなどでヨガ指導を行っている。著書に『自宅でかんたん![決定版]体が硬い人のためのヨガ大全』(PHP研究所)など。
痛みをがまんして伸ばすのは逆効果
「体質の問題もありますが、体が硬くなる原因は主に、運動不足や姿勢の悪さ、生活習慣での癖が関係しています」(水野さん・以下同)
筋肉は血行を促すポンプのような役割を担っている。運動不足により筋肉が使われないと血液循環が悪くなり、筋肉がこわばってしまうため体が硬くなるというわけだ。
ほかにも、長時間同じ姿勢でいたり、スマホを見るときに頭が下がり猫背になるのも筋肉を硬くする原因になる。
「体を動かすには、筋肉を縮める“収縮”と、伸ばす“弛緩”の両方の力が必要です。しかし、慢性的な運動不足をはじめ、長時間同じ姿勢を続けたり、悪い姿勢ばかりしていると、筋肉が萎縮し、収縮力に偏りが生じます。そうすると筋肉に疲労がたまって硬くなるのです」
体が硬いと、全身を動かしづらくなるため疲れやすくなり、体を動かすのを億劫に感じてしまう人も。
「体を動かすのが億劫になることで、何に対しても消極的になる人も見受けられます。まずは毎日、ほんの少しの時間でもいいので、体を動かす習慣を作ることが大事です」
そこでおすすめなのがヨガだという。
「私も体が硬いのですが、ヨガを毎日行うことで、徐々に体が柔らかくなる喜びや楽しさを実感できました」
体の柔軟性が上がると、けがをしにくくなったり、基礎代謝が上がり、太りにくくなるなどの効果も期待できる。
「ヨガを行うときは反動をつけて動かしたり、力づくで無理に伸ばさないこと。痛いくらい伸ばした方がいいと勘違いしている人もいますが、無理に伸ばすと、筋肉は逆に縮こまって硬くなります。鼻から息を吸って口からゆっくり吐きながら、痛みを受け入れられる“痛気持ちいい”ところまで伸ばす。決して無理はせず、いまできる範囲で動かし、体をほぐしましょう」
自分のペースで始めよう。
ヨガの前に…まずは手足の指を回してみよう
末端をほぐせば体もほぐれる! まずは手足の指を回すことから。
「手や足などの末端に刺激を加えることで、血行が促進されます。血液の巡りがよくなると、全身も動きやすくなりますので、ヨガの前に手足をほぐすのがおすすめです」(水野さん)
【手指編】
【1】手を組んで手首を回す
手を胸の前で組んで手首を回す。時計回り、反時計回りで各5回。なめらかに回すよう意識する。
【2】手首を左右に折り曲げる
【1】と同様に胸の前で手を組んだまま、今度は手首を左右に折り曲げる。左右1セット×5回。
【3】親指→小指の順で指を1本ずつ回す
右手で左手の親指をつかんで回す。5回ずつ全部の指に行う。肩が上がらないよう注意する。ひじも動かしながら行うと腕に余計な力が入らないで済む。
【4】親指→小指の順で1本ずつ反らす
左手のひらを上に向けて右手で左手の親指をつかんだら、手の甲側に向けて反らす。親指から小指へ、各5回ずつ行う。反対の手も同様に【3】と【4】を行う。
【足編】
【1】隣同士の足指を持ち前後に開く
左足を引き寄せたら隣同士の足指を持ち(例:親指と人差し指など)、前後に開く。各10回ずつ行う。
【2】親指→小指の順で回す
左足の親指から小指の順で、それぞれ5回ずつ回す。背中が丸まらないよう注意。
【3】土踏まずを20回叩く
右手の親指を外側にしてげんこつを作り、左足の土踏まずを20回軽やかに叩く。親指を外にしてげんこつを作ると、余計な力が抜け、やわらかいげんこつができる。
【4】足首からひざ下までマッサージをする
左足首からひざ下まで、ふくらはぎを4か所ほどを軽く押してマッサージする。反対の足も同様に【1】~【4】を行う。