まちがい探しで学ぶ「名画に隠された秘密」【ボッティチェリ 「ヴィーナスの誕生」編】
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まちがい探しで読み解く!名画『ヴィーナスの誕生』のここがポイント!
【1】ヴィーナスを陸地に運ぼうと息を吹きかけているのは、西風の神ゼフュロス。寄り添っているのは、その妻である花の女神フローラで、ヴィーナスの象徴とされているバラの花を撒き散らしている。
【2】手で胸を隠し、体をくねらせるようにする姿は「恥じらいのポーズ」と呼ばれている。愁いを帯びた表情を見せているのは、ヴィーナスが生まれたばかりの無垢の状態であることを表わしている。
【3】ヴィーナスに布をかけ、裸体を包もうとしているのは時の女神ホーラ。衣服や布にヒナギクやサクラソウなどの花柄があしらわれているのは、ヴィーナスが誕生したのが春であることを意味している。
【4】海水では自生しないはずの「ガマ」という植物が描かれている。無数の種を持つことから、多産や再生を暗示しているとの説があり、去勢された性器からヴィーナスが生まれたことを指しているといわれている。
【5】ギリシャ神話によれば、生まれたばかりのヴィーナスはホタテ貝の貝殻に乗って海の上を漂流したという。その後、西風の神ゼフュロスによってキプロス島のパフォスに運ばれた。
参考文献/『名画のすごさが見える 西洋絵画の鑑賞事典』(永岡書店)、『理由がわかればもっと面白い!西洋絵画の教科書』(ナツメ社)、『知識ゼロからの西洋絵画入門』(幻冬舎)、『語れるようになる 西洋絵画のみかた』(成美堂出版)、『マンガでわかる「西洋絵画」の見かた』(誠文堂新光社)
文/小野雅彦 写真/写真AC、アフロ
※週刊ポスト2023年10月6・13日号
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