「ますかけ線=成功者」「生命線が長い=長寿」のウソ・ホント【4万枚以上のデータから読み解く“手相統計学”占い】
人生に迷ったとき、ふと自分の手を見る人も多いはず。実は巷に伝えられてきた手相にまつわる定説は間違っているものがあるという。15年間で2万人の手相を鑑定したプロの手相家が「手相の新事実」を解き明かした。
教えてくれた人
瀧川雅也さん/一般社団法人手相心理学協会理事長。難病を体験したことで「悩みを抱える人の力になりたい」と手相を学び始める。15年間で延べ2万人の手相を鑑定し、4万枚以上の手相のデータから独自の“手相統計学”を確立。著書に『開運! 新しい手相の読み解き方』(ビジネス社)がある。
手相の定説は検証されてこなかった!?
ますかけ線がないから成功しない、生命線が短いから短命、結婚線が小指側にあるから晩婚―なんて定説を信じ、がっかりしていたあなた、「安心してください」と言うのは手相心理学協会理事長の瀧川雅也さんだ。
「私は15年前に手相を学び始め、世界各国の文献を読みました。そのとき、どの教本も先人が記した鑑定法を書き写しただけで、検証していないことに気づいたんです」(瀧川さん・以下同)
つまり、手相の定説には根拠がなかったのだ。そこで瀧川さんは独自に統計を取り始めた。すると、定説が通用しない事実にいくつか気づかされたという。
「たとえば、成功者の手相とされる『ますかけ線』ですが、アメリカの経済誌『Forbes(フォーブス)』が発表する世界長者番付の上位100人の手相を調査したところ、ますかけ線を持つ人は1人もいませんでした」
これは一体何を示すのか―。
手相が表す“特性”を活かすことが大切
「ますかけ線は感情線と知能線が一体になっていることから古来、感情と知性が切り離せない人の手相とされてきました。ところが、『徳川家康の手形』にますかけ線が刻まれていたことから、成功者の手相と“意訳”されるようになったのです」(前出の瀧川さん・「」内、以下同)
つまり、家康がたまたま成功しただけであり、多くの成功者にますかけ線がないことからも、成功者の手相ではないようだ。
「実はそうとも言えません。手相とは本来、運勢を示すのではなく、その人の特性を表しています。私の解釈におけるますかけ線は、嫌いなことはやりませんが、好きなこととなると驚くほどの集中力を発揮できる人の手相です。ますかけ線があるから成功するのではなく、手相が表す特性を活かして努力すれば、家康のような成功も夢ではない、ということなのです」
生命線で見るべきは長さより濃さ!
生命線の長さに関する定説にも瀧川さんは首をかしげる。
「寿命と生命線の長短に関係はありません。というのも、1947年の女性の平均寿命は53.6才ですが、2022年87.09才。それなのに生命線の平均的な長さは変わっていないんです」
生命線の鑑定で大切なのは長さより濃さだという。
「生命線が薄い人は控えめな人が多く、濃い人は体の強さに自信があって生命力にあふれる人が多い。これらはしっかり手を握りしめるだけの力があるかに関係します。ですから、若い頃は生命線が濃くても、年を取って握力が弱ると薄くなることも。その場合は運動をして力をつければまた濃くなります」
『Forbes』誌に載るような成功者も、エネルギッシュなタイプが多いせいか、手相が濃い人が多いという。
「とはいえ、手相は変えられます。緊張するなどして手を強く握れば新たなしわが刻まれるでしょう? 早ければ30分で変わるくらいです。ですから薄いからとがっかりする必要はありません。未来への忠告ととらえ、努力して改善すればいいのです」
取材・文/上村久留美 イラスト/かまたいくよ 撮影/楠聖子
※女性セブン2023年9月28日号
https://josei7.com/
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