夫のネット銀行ID・PW知ってますか?今すぐ備えたい「お金の大問題」
財産目録を作成したはよいが、その保管場所によっては、後に面倒な事態を引き起こしかねない。
東京都在住の主婦、山口章子さん(仮名・48才)は自らの体験をこう話す。
「友人から、親が認知症になって、財産がどれだけあるのかがわからず困ったという話を聞いていました。ひとり暮らしの父が心配なので、父に頼んであらかじめ財産目録を作っておいてもらったんです。
しかし、それから1年ほどして父が亡くなり、遺産相続の手続きをするため目録を捜したら、家の中、どこを捜しても見当たらない。『もしや貸金庫に入れているのでは』と思い、父の口座のある銀行の窓口に相談したところ、『貸金庫は原則本人しか開けられない』と言われてしまいました。
開けるには相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明が必要で、疎遠になっていたり、遠方に住んでいる親族などを含めたすべての戸籍謄本を取り寄せるのにはとても苦労しました。結局、貸金庫を開けるのに半年もかかってしまいました」
しかも、話はこれで終わらない。 「貸金庫を開けてみて初めて、目録に書かれた株の存在を知りました。株価を調べると、この半年で値が大きく下がっていた。早く手続きできていれば値下がり前に売却できたのに…」(山口さん)
株価の値動き次第では資産が目減りする。それどころか、FXのように、投資資金の数倍の金額をかけて取引(証拠金取引)していたりすると、いつの間にか莫大な負債を抱える可能性もある。
財産目録だけでなく、ネット銀行などのログインIDやパスワードなどを記した紙は、どこに保管すればいいのか。
相続コンサルタントの曽根恵子さんが話す。 「銀行は、故人の死亡を確認した時点で貸金庫を凍結します。そうなると、金庫の中のものは一切出せなくなります。通帳や権利証など遺産を分けるために必要な書類まで中に入れてしまっては、金庫の鍵を金庫の中にしまうようなものです。 とはいえ、相続人が見つけられないところに隠しておいては本末転倒です。
鍵付きの引き出しやたんすの中など、生前は誰にも見つからず、死後はわかりやすい場所に保管しておくのがよいでしょう」 家に置いておくのが不安なら、親自身が貸金庫を借りるのではなく、自分が預かって貸金庫に預ける方法もある。
→親が認知症になる前にしておきたい!「家族間信託」6つのポイント
紙に書いて残しておくべき「ID、パスワード、アカウント情報」
以下の項目、早速確認しておこう!
□パソコン、スマートフォン、 タブレットなどの端末
□普段使用している メールアドレス ネット銀行・証券会社の 口座
□FX会社や仮想通貨 取引所の口座
□有料会員サービス (有料アプリや有料ネット サイト、ネットマガジン など)
□ネットショッピングサイト (Amazonや楽天など)
※女性セブン2019年1月31日号