眼精疲労や老眼…目の悩み対策に!すぐ実践したい17のこと「布団の中でスマホを見るのはもってのほか」【専門家解説】
眼精疲労や老眼など目にまつわる悩みを抱えていませんか。目に優しい生活習慣や食事などに気を配ることで改善に導くことができるという。すぐに実践できる17の方法を専門家による解説を交えて紹介します。
目のために休息・散歩・睡眠など生活習慣を改善
生活習慣の改善も目を助ける。平松さんがすすめるのは「【1】しっかり休憩をとる」ことだ。
「近年は手元のスマホ画面を長時間見ることで老眼がすすむ『スマホ老眼』が増えています。スマホやパソコンなどを1時間以上利用したら手を休めて、20秒以上ボーッとすることを心がけましょう。できれば1分ほどは“放心状態”を続けてほしい」
「【2】遠くを見ながらの散歩」も習慣にしたい。
「家の中の閉鎖された環境にずっといると近くのものを見るばかりです。たまには外に出て、散歩しながら遠くの風景を眺めると目が休まります。特に近視の場合、外出時間が増えると抑制されるといわれます。光は脳への刺激になり、歩くことは健康につながるので、毎日の散歩を日課にしましょう」
「【3】規則正しい睡眠」も重要だ。
「適度な睡眠は目のまわりの筋肉や視神経をリラックスさせて周辺の血行をよくして、目に栄養分をしっかり送り届けます。一方で睡眠不足は眼精疲労やドライアイを引き起こす原因になるので避けてほしい。【4】就寝時は部屋を暗くして、目に光を感じさせないことも大切です」(望月さん)
夜、布団に入る前の習慣も大切になる。
「寝る前にスマホやパソコンの画面を見ていると睡眠中の目の回復を妨げます。【5】就寝の30分前にはスマホやパソコンの利用をストップしましょう」(平松さん)
様々な色の食材が目を健やかに
布団の中でスマホを見るなんてもってのほかなのだ。そうしたさまざまなケアに加えて、食生活も見直したい。望月さんがすすめるのは「【6】緑黄」と「【7】紫」の食べ物だ。
「ほうれん草や小松菜、かぼちゃなどの緑黄色野菜に含まれる『ルテイン』は目の水晶体や黄斑部に存在する成分。強力な抗酸化作用があるほか、加齢による目の病気の予防・改善に役立ち、スマホ画面から出るブルーライトや紫外線から目を保護する働きも。またビルベリーやブルーベリー、紫いもなど紫色の食材に多く含まれる『アントシアニン』は光を高感度で感知する神経伝達物質『ロドプシン』の再合成を促し、目の疲労を改善します」
平松さんは「【8】紅」の食べ物に注目する。
「目を若返らせるのに必要なのは鮭を食べることです。紅鮭の紅い色は『アスタキサンチン』という抗酸化物質によるもので、老化の原因になる活性酸素を抑制する働きがあります」
朝食で食べたいのは、さんまやさばなどの「【9】青魚」だ。
「青魚に含まれるオメガ3系脂肪酸は網膜の代謝を活発にし、視力低下や疲れ目を防いでくれる。熱を加えると酸化しやすいので、カルパッチョや刺身で食べるといい。またオメガ3系脂肪酸は朝食べると吸収率が高まります。“朝から刺身はちょっと”という人は、【10】ツナ缶や【11】さば缶で摂取することをおすすめします」(望月さん)
貝類やプルーン、黒豆ポトフがおすすめ
おぐりクリニック理事長で眼科専門医の小栗章弘さんは「【12】肝臓」と「【13】腎臓」のケアが重要と説く。
「目にまつわる多くの症状の根本原因は、血液の質と血流の低下です。東洋医学の五臓のうち『肝』は目と関わりが深く、自律神経や血流を調整し、『腎』は水分代謝や成長、生命力を司ります。肝と腎が良好な状態を保って血液の質と血流が向上すれば、目の症状の改善が期待できます。肝を養う貝類や豚肉、にんじん、腎を養う黒豆やひじき、プルーンなどを食べてほしい」
食べ方で最適なのは「【14】スープ」だと小栗さんは続ける。
「年齢を重ねるほど肝と腎が弱るので、やわらかくて味付けしやすく、栄養素をあますところなく摂れるスープが食べ方として最適です。おすすめは黒豆ににんじん、じゃがいも、玉ねぎといった野菜を加えて煮込んだ黒豆ポトフです」
老眼だけの手術をしてはいけない
老眼の症状が出た場合、「【15】老眼鏡の使用」も選択肢になる。
「特に女性は老眼鏡を嫌がる人も多いですが、初期症状があったら眼科を受診して、自分の視力に合った老眼鏡を選ぶことでQOLの低下を防げます。コンタクトレンズをしている人なら少し近くにピントを合わせるよう調整する手もあるし、あまり普及していませんが老眼用のコンタクトもあります」(根岸さん)
老眼を「【16】手術」で治療する方法もあるが注意が必要だ。
「視力を回復するには、角膜を削る『レーシック』や多焦点眼内レンズを眼内に固定する『ICL』という手術がありますが、50才以上のかたにはあまりおすすめできません。50才以上の場合は白内障を併発した際に、同時に手術を受けるのが一般的であり、視力回復だけを目的に手術を受けても、その後白内障を発症したら、“二度手間”になってしまう。白内障の原因である水晶体の混濁を除去しつつ、近くにも遠くにもピントが合う多焦点眼内レンズを入れれば老眼や近視、遠視なども併せて矯正できます」(平松さん)
光明は「【17】老眼治療の目薬」が開発されたことだ。
「2021年にアメリカで老眼治療の目薬が承認されました。薬で瞳孔を収縮させることで、目を細めるとものが見えやすくなる『ピンホール効果』の原理が働き、近くにピントが合うようになります。まだ日本では未承認ですが、将来的に普及する可能性もあります」(根岸さん)
老眼を克服するにはさまざまなアプローチがある。できるだけ多くのスイッチをオンにして目を若返らせよう。
※女性セブン2023年6月22日号
https://josei7.com/
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