健康

疲れ目や視力低下を改善する「まぶたつまみ」って?4か月継続で老眼鏡が不要になった人も

 コロナ禍のリモートワークや長引く巣ごもり生活で疲れ目やドライアイ、視力低下など、目の不調に悩む人が増えている。その原因は、”血液の停滞”だという。そこで、目のまわりの血流をアップさせる2つのメソッドを専門医に教えてもらった。

”顔さすり”で目の不調改善へ

 鍼治療に携わる倉敷芸術科学大学客員教授の内田輝和さんは、血液の停滞が目の不調を生み出すと主張する。

「私が鍼やマッサージで治療した患者の中で目を酷使している人は体が硬く、血流が滞っている人が多かった。特に目のまわりや内部には多くの血管が張り巡らされているため、その循環が滞ったら目の組織にも栄養素や酸素が充分に行き渡らなくなります」(内田さん、以下同)

 目への血流を促すには「顔さすり」が有効だという。

 なかでも、内田さんが発見した重要なツボが「脳点」だ。後頭部の髪の生え際から指3本分ほど上の、頭蓋骨の出っ張りのちょうど真下に位置している。

「施術するうちに、目に不調をかかえる人は全身の中でも特にこの部分が硬くなっているケースが多いことに気づきました。後頭部が固まれば、脳への血流が阻害されてしまう。視覚は脳の認知機能と密接な関係があるため、脳へ流れる血流が滞ると視力にも悪影響が及びます。よって、まずはここをさすってほぐすことが、視力回復への近道なのです」

 後頭部をさすって血流をよくしたら、次は眉毛の下にある「魚腰(ぎょよう)」へ。老眼にいいとされるツボだ。

 目の下にある「承泣(しょうきゅう)」のツボは、ドライアイや眼精疲労に効果的。この3点を意識してさすった結果、2か月で視力が0.3回復した例もあったという。

「あまり強すぎず、“痛気持ちいい”と感じる程度の強さが最適です。行う前には必ず手を洗い、清潔にしておくことと、危ないので爪をきちんと切っておくことも忘れずに。人差し指と中指をくっつけて2本の指の腹で10秒ほどさすってください。できれば日中に1日3回。基本的にはいつさすっても問題ないですが、寝る直前に行うと目を刺激して入眠しづらくなるため、避けた方がいいでしょう」

■「顔さすり」のやり方

【1】後頭部の襟足から指3本分上、頭蓋骨の出っ張りの真下に当たる「脳点」を両手の人差し指と中指で左右に細かく揺らしながら10秒さする。

両手の人差し指と中指で後頭部のツボを押すイラスト

【2】眉毛の下にある「魚腰」という老眼に効くツボと、ドライアイや眼精疲労に効く目の下にある「承泣」というツボを、それぞれ人差し指と中指で左右に細かく揺らしながら10秒さする。

眉毛と眼の下のツボを押す女性の顔イラスト

→視力回復に最強の眼トレーニング2選【指回し】【3Dナンバータッチ】

”まぶたつまみ”で目のまわりの血流をアップ

 よりダイレクトに目の血流を改善する「まぶたつまみ」も覚えておきたい。

 世界整膚連盟整膚美容師会会長の蔡晶さんが解説する。

「皮膚を優しく引っ張ることで、体の内側がゆっくり刺激され、徐々に緊張がほぐれて体調が回復していくというのが美容と健康両方を体現する新しい施術である“整膚”の考え方です。皮膚をつまんで引っ張り上げると、スポイトで液体を吸い込むように、その部位に血液やリンパ液が集まります。次に指を離すと、皮膚が元に戻ろうとするときに血液やリンパ液が押し出され、血液の入れ替わりが促される。その結果、血の巡りが大きく改善するのです。“まぶたつまみ”はこの整膚のメソッドを目に取り入れたものです」(蔡さん)

■まぶたつまみのやり方

【1】つまむ箇所は5か所で、それぞれ10回ずつ行うといい。まずはまぶたの上から、中央の皮膚をつまむ。

まぶたをつまむイラスト

【2】目頭は、鼻梁をつまむ形で行う。左右の目頭の皮膚を同時につまむ。

鼻梁をつまむイラスト

【3】目の下は、1cmほど下、左右中央の皮膚をつまむ。この部分は皮膚が薄いため、特に優しく触ること。

目の下の皮膚をつまむイラスト

【4】目尻から1cmほど外側に離れた部分の上下をつまむ。

目尻をつまむイラスト

【5】最後は眉。中心部よりもやや内側、顔の中央寄りの皮膚を、眉をはさむように厚めにつまむ。

眉をはさむようにつまむイラスト

 イラストのように、目の周辺の皮膚をつまむことで毛様体筋への血流が促され、目の疲れの回復や老眼の改善に役立つのだそう。

「まぶたをつまむときは、親指と人差し指を使って、“ぶどうの皮をむく”ときくらいのソフトタッチで行うのがポイントです。4か月間まぶたつまみを続けた結果、老眼鏡が不要になったという例もありました」(蔡さん)

 1日2~3回、1回1~2分を目安に、いつ行ってもOK。スマホやパソコンを見ていて目の疲れを感じたら、そっとまぶたをつまんでほしい。目の血流はホットタオルや入浴、長時間連続でスマホを見ないことを意識するなど、日常のちょっとした生活習慣でも改善できる。これらのトレーニングとともに取り組みたい。

→コロナ禍で進む【老眼】に眼科医がすすめする100円のグッズとは?

教えてくれた人

倉敷芸術科学大学客員教授の・内田輝和さん、世界整膚連盟整膚美容師会会長・蔡晶さん

イラスト/つぼゆり

※女性セブン2021年1月7・14日号
https://josei7.com/

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