医師も実践!東城百合子さんが確立した『自然療法』|薬に頼らず体を治す“手当て”とは?痛みや熱に「こんにゃく」や「豆腐」を対処する方法
まずはキッチンにあるものを使って、できる「手当て」から試してみてほしい。ただし朝倉医師会病院の内科医、佐藤留美さんは、これらの療法を実践する際には注意が必要だと話す。
「東城さんの教え通りに行うならいいのですが、“自己流”は厳禁です。湿布やパスターに効果があるのは、皮膚からも食材を吸収するからだと考えられます。そのため、誤った方法で行えば、高温やけどや皮膚トラブルにつながる可能性がある。特に植物は口に入れなくてもアレルギーが出る人もいるので、肌に使用するときは目立たない部分で試してから行ってください」
「自然療法」を学んで元気になった実例の数々
東城さんのもとには、がんをはじめとして重病を抱えた人が数多く訪れ、自然療法を学んでいた。
その中には、西洋医学では治療法がなかった重篤な状態から快方に向かったという人も少なくなかった。実際に『家庭でできる自然療法』には卵巣がんが完治した女性の喜びの声や、「もう延命治療はいらない」と表明するほど弱った高齢の母に東城さんの「玄米スープ」を食べさせたところ、みるみるうちに元気になったという息子からの寄稿など、東城さんに命を救われた人たちのエピソードが数多登場する。
芦刈さんもまた、自然療法で健康を取り戻したひとりだと明かす。
「子宮頸がん検診で、がん細胞になる一歩手前のグレーゾーンだと言われたことがあります。がんの原因のひとつであるHPVウイルスは陰性だったので、食生活が原因だと思い、肉と乳製品を断ち、野菜と魚と玄米を食べる自然食に切り替え、運動も取り入れました。その結果、3か月で細胞が正常な状態に戻ったのです」
芦刈さんによれば、干したどくだみを煎じたどくだみ茶を飲んで、慢性膀胱炎が改善したという人もいるという。
「東城先生の本には、どくだみ茶は慢性膀胱炎にいいと書かれており、私自身、患者さんには抗生物質を処方するだけではなく、どくだみ茶をブレンドしたお茶を飲むことをすすめています。膀胱炎は、膀胱や腎臓の免疫が落ちて細菌に感染して起きる感染症であるゆえに、どくだみの解毒作用が効果を発揮するといえます」(芦刈さん・以下同)
東城さんの著書には、風邪や慢性病、疲れたときに行う手当てとして、熱い湯と冷たい水に30秒ごとに交互に片足をつける「足浴」という方法も紹介されている。
「毎日実践した結果、パーキンソン病で足がうまく動かなかったかたが、歩行できるようになったという症例が報告されています」
■東城百合子さん/自然食・自然療法の大家として知られる。1925年岩手県生まれ。20代で重症の肺結核となったが、自然療法によって自らの病気を克服。それをきっかけに健康運動を始め、1973年5月、月刊誌『あなたと健康』(あなたと健康社)を出版し、以来、出版活動とともに全国を回って健康運動を進める。著書に100万部を突破したベストセラー『家庭でできる自然療法』(あなたと健康社)ほか多数。2020年2月22日逝去。
イラスト/飛鳥幸子
※女性セブン2023年6月22日号
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