最新の脳科学でわかった「男の人が見ている世界」夫の不可解な行動を理解する5つのヒント
今回取り上げた性差による言動の違いには個人差があります。あくまで、そういった傾向があると捉えてください。人によっては該当しないケースもありますのでご了承ください。
◆CASE 夜景にすぐ飽きるのはなぜ?
男女で見えている色の多彩さが違う!
「脳は、青、緑、赤の3色の組み合わせで色を判断しますが、女性は橙(だいだい)を加えた4色の色覚を持っている人が多い。認識できる色が多い分、女性は夜景の多彩な色を捉えられ美しく感じますが、男性は単調に見えているため飽きてしまいがち」(西さん・以下同)。
特にピンク系は女性の10分の1しか認識できていない。
◆CASE 話の内容を覚えていないのはなぜ?
女は“言葉”を、男は“場面”を記憶する
「記憶を司る脳の海馬は左右に一対あり、左は言葉、右は画像に関することを記憶します。中でも女性は左の海馬、男性は右の海馬が優位に活動します。そのため、女性は話した会話(言葉)を覚えているけれど、男性は言葉よりも、食事をした場所や雰囲気など場面で記憶しているため、女性とは思い出の共有でかみ合わないケースがあるのです」
◆CASE 頼んだものしか買わないのはなぜ?
目的以外の情報を排除する傾向が強い
「人は無意識に必要な情報だけを処理するよう脳が情報量を調整しています。特に男性は、目的達成以外の情報を排除する傾向が女性よりも強いとされています。ですから、卵が安いことを知っていても、それは目的以外のことなので買わないという選択になるのです」(西さん)
◆CASE 同時に作業ができないのはなぜ?
女性の方が脳の同時並行処理能力が高い
脳の同時並行処理能力は男女変わらないという報告もあるが、実際には女性の方が優れている場面に遭遇することが多い。
「狩猟などで男性が不在の間、女性は家事に育児にと複数の仕事を同時にこなす必要がありました。それが脳の使い方として残っている可能性があります」(西さん)。
◆CASE 無神経な発言をするのはなぜ?
女性ほど他人に興味がないから
「女性は相手の考えを声や表情から察し、気持ちをくみ取るのが得意なため、空気を読んだ言動ができやすい。一方、男性は女性より共感力が低い傾向が。ですから、相手の気持ちを見抜けず、悪気なくデリカシーのない発言をしたり、話を聞いていなかったりしがちです」(内藤さん)
教えてくれた人
■西剛志さん/脳科学者
脳科学的なノウハウを活用し、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開。これまでのべ1万人をサポート。著書は『世界一やさしい自分を変える方法』(アスコム)など多数あり。
■池川明さん/医学博士
産婦人科医。池川クリニック院長。胎内記憶・誕生記憶についての研究にも尽力し、日本にとどまらず世界中で講演を行う。主な著書に『違いがわかればもっとハッピー!夫婦の異文化交流術 男と女は、イヌとネコ』(BABジャパン)など。
■内藤誼人さん/心理学者
立正大学客員教授。社会心理学の知見をベースに、ビジネスシーンを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ。著書は『図解 身近にあふれる「男と女の心理学」が3時間でわかる本』(明日香出版社)など200冊を超える。
取材・文/鳥居優美 イラスト/なとみみわ
※女性セブン2023年6月8日号
https://josei7.com/
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