大河ドラマ『どうする家康』で注目!徳川家康に学ぶ健康長寿のための食の心得5箇条&まめ知識
現在に比べれば短命であった江戸時代に、徳川家康は75才(数え年)まで生きた。NHK大河ドラマ『どうする家康』で家康の生涯に関心が高まる中、健康オタクっぷりにも注目が集まっている。そこで、家康が実際に実践していた食生活を研究者監修のもとに紹介します。健康長寿食の秘密について学んでいこう。
“健康オタク”家康が実践した「体にいいもの」食生活
家康が生涯戦った敵は、贅沢(ぜいたく)だった。歴史家の加来耕三さんは言う。
「贅沢をすることが徳川幕府を滅ぼすと考えていたようです。人間は一度、贅沢をすると元の生活には戻れなくなり、どんどん欲を重ねてしまうようになる。若い頃、当時はかなり希少だった桃を織田信長から贈られたときも、『志あるもの、新奇なものは食わない』と口にしなかったそうです」(加来さん・以下同)
家康はかなりの健康オタクで、食も「おいしいもの」ではなく、「体にいいもの」を選んでいた。また、常に動ける体を維持するために、運動も欠かさなかった。
「家康は鷹狩りが趣味でしたが、たとえ獲物を取れなくても、最初に決めた時間まで鷹狩りをして、汗をかいていました。毎日、決まったルーティーンで行動していて、朝は木刀で素振りや弓矢の練習、午後は鷹狩りや馬術。食も1日2食、一汁一菜で腹八分目を心がけていたようです。69才まで水泳を欠かさなかったようですし、薬も自分で調合し、医師団もかなわないほど医学の知識に長けていました。亡くなる75才まで元気でいられたのも、健康オタクだったゆえでしょう」
徳川家康に学ぶ健康長寿の心得 5箇条
家康が日頃から特に好んで食べていた5つの食品をクローズアップ。健康体で長生きした秘密を解き明かします。
◆其の一『朝晩主食は麦飯を食すべし』
玄米は庶民の食べ物として白米を好む武将が多い中、一貫して玄米を食べ続けた家康。玄米は八分付き、糖質の代謝を高めるビタミンB1や抗酸化作用のあるビタミンEも豊富。肥満や現代でいう生活習慣病が自然と予防できていたと考えられる。
◆其の二『毎日八丁みそを食すべし』
家康の大好物で、さまざまな料理に使われていたのが、家康生誕の地である三河発祥の八丁みそ。他のみそよりも高たんぱくで抗酸化作用が高く、褐色色素メラノイジンには、コレステロールを下げて糖尿病を予防する効果も。家康の長寿の秘訣といわれている。
◆其の三『肉を食べることを臆すべからず』
肉を食べる習慣があまりなかった戦国の世で、誰よりも鶏肉を食べたといわれる家康。鶏肉は、高タンパク低脂質で、疲労回復効果の高いカルノシンという成分が豊富。高齢になっても屈強な体を維持できた理由といわれている。
◆其の四『薬味ににんにくを活用すべし』
家康は、天ぷらなどの薬味としてにんにくを頻繁に使っていた。にんにくに含まれるアリシンには疲労回復効果があり、男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌を促す働きも。家康が晩年まで精力旺盛だったゆえんのひとつともいえるだろう。
◆其の五『好んで浜納豆を食すべし』
大豆を麹菌で発酵させて作られる静岡・浜松の伝統食品。みそに似た味わいで、糸引き納豆とは全くの別物。家康はこれを疲れたときに食べていたとされる。発酵食品なので腸内環境を整える効果があり、抗酸化作用も高く若さを保つのに一役買っていた。