深刻な「スマホ首」は頭痛、めまい、吐き気を引き起こす!手軽にできる「首伸ばし」のやり方をイラストで解説
コロナ禍を経てリモートワークや動画視聴の時間が増えた結果、われわれとスマホの距離はさらに近づいた。便利になった半面、体にも深刻な影響が及んでいる。
竹谷内医院院長で整形外科医の竹谷内(たけやうち)康修さんが指摘する。
「スマホの使いすぎやそれに伴うストレスによって、現代人は首や肩回りが固まって縮こまった、いわゆる『スマホ首』の状態になっている人が多い。頸椎から肩甲骨にかけては筋肉がつながっているため、首の筋肉が固まることで背中や肩甲骨の内側、わきの下の痛みが引き起こされます。加えて首の前側にある胸鎖乳突筋は脳の神経にも影響しているので、頭痛やめまい、吐き気の原因にもなります」
首回りの不調は見た目にも大きく影響する。
「スマホ首になると頭が前傾するため、首が短く見える原因になります。また、首から肩にかけての筋肉が硬くなって縮むことで、まるで肩の中に力こぶが入っているように不自然に盛り上がってしまう人も少なくありません」(竹谷内さん・以下同)
しなやかな首と健康な体を取り戻すためには、やはり伸ばして柔らかくすることだ。
竹谷内さんは、自宅で簡単に取り組みやすい「首伸ばし」を紹介する。
「両手と両ひざを肩幅に開いて、四つん這いの姿勢になります。次に、あごを軽く引いて、背中を丸めながら、片方の手のひらを後頭部にあててください。その体勢から手で後頭部を押して、頭頂を床に向けて首筋を伸ばし、20秒キープします。その動きを3回行いましょう。背中を伸ばしたままだと首筋が伸びないため、意識して背中を丸めることがポイントです」
自宅で手軽に「首伸ばし」のやり方
【1】両手と両ひざを肩幅に開いて四つん這いになる。
【2】あごを軽く引き、背中を丸め、左右どちらか一方の手のひらを後頭部にあてる。
【3】頭の重みで首を伸ばすことを意識しながら頭を真下に向ける。床に下げるように、手でゆっくり後頭部を押し込み、そのまま20秒キープする。
古谷さんは、首の後ろにある筋肉の頭板状筋を伸ばすことを推奨する。
「両手を頭の後ろに組んで、両ひじを閉じて、頭をゆっくり前に倒して首の後ろを伸ばしましょう。ここが伸びることで肩こりが解消する人は少なくない。ただし首は繊細な部位なので、力を入れて押したり、弾みをつけたりするのはNG。頭にのせた腕の重さだけで首を伸ばすイメージで行ってください。背筋は伸ばした状態で、頭だけを倒すのがポイント。腸腰筋伸ばしと同様に、1回20~30秒で、2~3セット行ってください」(古谷さん)
首への負担を減らすためには、心理的なストレスを回避することも大事だ。
「ストレスがあると、無意識に首の筋肉に力が入って緊張し、こり固まる原因になります。例えば、家事や仕事で集中しているとき、首や肩に力が入っている人は意外と多い。家族や友人など対人関係のストレスがあるときも、無意識に交感神経が働くので首や肩回りに力が入りやくなります。筋肉の緊張を高めないためには、ストレスを減らす生活を心がけることも大事です」(竹谷内さん)
知らず知らずのうちに縮こまってしまう体をグンと伸ばして、不調を改善しよう!
教えてくれた人
竹谷内康修さん/竹谷内医院院長。整形外科医
イラスト/おしろゆうこ
※女性セブン2023年4月27日号
https://josei7.com/
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