肩こり改善にはつまんでゆらす「ファシアゆらし」|柔軟性もアップして姿勢も美しく
長時間同じ姿勢や同じ動きをくり繰り返していると、痛みを感じる部位はないだろうか。その痛みの原因はファシア(筋膜)が硬くなっているせいかも知れない。痛みを改善するのにおすすめなのが、医学療法士・成田崇矢さんが考案した「筋膜ゆらし」だ。特に効果を感じやすいのは、肩だという。辛い肩こりで悩んでいる人は是非「肩のファシアゆらし」をやってみて欲しい。背中の柔軟性があがり姿勢もよくなるので一石二鳥だ!
ファシア(筋膜)とは…
皮膚と筋肉の間には、下の図のように複数の膜構造の組織がある。これらを総称して“ファシア(筋膜)”と呼ぶ。
皮膚から筋肉にかけての構造
浅筋膜、深筋膜、疎性結合組織、筋外膜など、膜構造の組織を総称してファシアと呼ぶ。
「ファシアを伸び縮みさせたり、組織間を滑走させることで、筋肉をなめらかに動かせます。また、ファシアは臓器などの組織も覆っていて、それらが動かないように支える役割もあります」
と教えてくれたのは、桐蔭横浜大学教授・理学療法士の成田崇矢さんだ。
ファシアが硬くなると痛みが発生する
ところが、長時間同じ姿勢でいたり、同じ動きしかしないと、同じ部位に力が加わり、ファシアの動きが悪くなる。
「そうなると、筋肉もなめらかに動かなくなり、柔軟性が低下します。また、ファシアには痛みを感じるセンサーもあるので、動きが硬くなれば神経が引っ張られて痛みを感じやすくなります。体を動かしたときに引っ張られるような感覚があったり、痛みなどを感じた部分は、ファシアの動きが悪くなっている部位です」(成田さん・以下同)
ファシアの柔軟性を取り戻す方法としておすすめなのが、成田さん考案の“筋膜ゆらし”だ。皮下脂肪をつまんで左右にゆらすだけで、ファシアがほぐされるという。
即効果を感じるのは肩!
特に効果を実感しやすいのが、肩のファシアゆらし。肩こりが改善されて背中の柔軟性が上がり、姿勢がよくなる。
「姿勢がよくなると体にかかる負荷が分散され、全身のファシアの伸縮性もいい状態のまま保たれます」
下記を参考に、「肩のファシアのゆらし方」→「胸の硬さを改善」する体操→「よい姿勢を維持」する体操の順に行おう。