60代以上6割がフレイルのリスクが高めの調査結果が!運動不足だけではない原因と予防策【専門家解説】
「シニア世代の健康に関する調査」(ソフトバンク)によると、60才以上の6割近くが「フレイルリスクが比較的に高い傾向にある」ことがわかった。しかもフレイルのリスクを招く原因は、運動不足だけではないらしい。調査結果から見えてきたこととは? 専門家の見解を交えレポートする。
フレイル状態とは?
フレイル状態とは、要介護状態と健康の間に位置し、身体や認知機能が低下した虚弱状態のこと。今、フレイル状態に陥る危険性“フレイルリスク”が高いシニア層が増えているという。
シニア向けスマホにフレイル対策サポートアプリを搭載するなど、60才以上の健康維持活動をサポートしているソフトバンクは、60才以上の男女1000人を対象に「シニア世代の健康に関する調査」を実施。コロナ禍でのライフスタイルの過ごし方によって、フレイルリスクに違いがあることがわかった。
【調査概要】
調査名:「シニア世代の健康に関する調査」
調査期間:2023年2月25日(土)~ 26日(日)
調査対象:全国の60才~79才 男女1000人
調査方法:ウェブ定量調査
身体的・精神的・社会的の3つの面を評価できる11項目の質問からなる「イレブンチェック」と、コロナ禍におけるライフスタイルに関するウェブアンケートを実施。
※イレブンチェック/東京大学高齢社会総合研究機構・飯島勝矢 「フレイル予防ハンドブック」より引用。
60代以上の6割がフレイルリスク高め
アンケート結果によると、60代以上の31.7%が「フレイルリスクが高い状態」、26.1%が「中程度のリスクを抱えている状態」で、6割近くの人が「フレイルリスクが比較的高い傾向にある」ことがわかった。
また、「フレイルリスクの高い状態」にあるシニアを年齢・性別で分析すると、特に60代男性がフレイルリスクの高い傾向にある。
「日常的な楽しみを持っている」とリスクが低い
「日常的な楽しみと思うものについて」の質問には、フレイルリスクの高いシニアの16.4%が「特にない」と回答。リスクが低いシニアの2.8%と比べると5倍以上となる。
「楽しみと思うもの」の内訳としては、フレイルリスクの高低に関わらず、「趣味の時間」が1位、「食事飲み会」が2位。
しかし、「友人との会話」と答えた人は、フレイルリスクが低い人が45.3%に比べ、フレイルリスクが高い人は23.3%と約半数。「友人知人に会う」は、フレイルリスクの低い人が40.8%に対し、高い人は22.4%と、こちらも約半数になっている。
また、「家族以外の知人と会う頻度」についての問いには、フレイルリスクの低いシニアが「月に1回も会わない」16.4%、「週に2回程度~月に1回程度」が50.7%。
一方、フレイルリスクの高い人は「月に1回も会わない」48.9%、「週に2回程度~月に1回程度」が37.2%となっており、半数近くが家族以外の知人と1か月以上も会わない生活を送っていることがわかった。