兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第179回 “感情の受け身”習得中】
進行する若年性認知症の兄の症状。一緒暮らす妹でライターのツガエマナミコさんを悩ます大きなことの一つに排泄のトラブルがあります。トイレではないところで、御用をしてしまうのです。昨年、「にぃさんぽ」(兄の予期せぬおでかけ)をきっかけに、毎日リハビリパンツを穿くようになり、ひとまず安心かと思っていた矢先にまた事件は起きてしまいました。マナミコさんにエールを送ります(編集部より)。

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お風呂のお便さま騒動
久しぶりに叔母から電話をいただきました。
「今日はお兄ちゃんのお誕生日だったかしら?」と、叔母独特ののんびりとした平和なお声に癒されました。
「まぁ!ありがとうございます。でも残念、明日でした~」とひとしきり笑って、最近兄の捜索願を出した話やリハパンを穿きだしたことなどをご報告いたしました。本当は兄との暮らしにイライラしうっ屈しておりますのに、そんな素振りは微塵も見せず「でも元気でいてくれるから助かりますよ」と、さも平気な声を出してしまいました。
電話を切ってから、わたくしは叔母のお誕生日を知らないし、たぶん叔母もわたくしの誕生日を知らないだろうと考えました。でも兄の誕生日の近