野菜の味を格上げする裏ワザ6選「なすは塩と砂糖をもみ込んで油の吸いすぎを防止」
野菜はほんのひと手間でアクやえぐみが取れておいしくなる。素材の味を最大限に引き出す下処理方法を食のプロに教えてもらいました。「なすは塩と砂糖をもみ込んで油の吸い過ぎを防止する」など、ちょっとした下処理で味に大きな差が出ますよ!
※コメントは料理家・本多理恵子さん(本) 、アイデア料理研究家・makoさん(m)、食事処さくらさん(食)
下処理法1:じゃがいもはホイル包みの余熱でしっとりホクホク
「じゃがいもはレンチンすると、スカスカパサパサになりがち。レンチンでもおいしいホクホクの食感にするには、レンチンした後、ホイルで包んで余熱を利用し、寝かせること。ホクホクな仕上がりになりますよ」(食)
【作り方】
じゃがいも3~4個は流水で泥汚れなどを落とし、1個ずつ十字に切り込みを入れ、ラップで包む。電子レンジで7分加熱(つまようじがスッと入ればOK)したら、ラップをしたままアルミホイルに包み、ミトンやタオルなどで包んで保温し、電子レンジで加熱した同時間分休ませる。
下処理法2:キャベツはぎゅっともめばしっかり味が絡まる
「キャベツは表面がつるっとしているため、味付けが流れてしまいます。炒め物をするときは、キャベツを切った後に、手でぎゅっともんで葉の繊維に凹凸をつけると、たれがしっかり絡みやすくなりますよ」(食)
下処理法3:大根は生米を入れてゆで独特のえぐみを取る
「大根の下ゆでは生米と一緒に入れてゆでるのが一番! 米と一緒に煮ることで米の表面のでんぷん質が溶け出して大根のえぐみを抑えてくれる効果があります。大根の甘みを引き出してくれますよ。米の研ぎ汁でもOK!」(食)
【下ゆでの仕方】
大根の皮をむき、3cm厚さに切ったら半月切りにし、フライパンに並べる。大根がかぶるくらいの水を注ぎ、米をひとつかみ加えて煮立ったら、中央に穴をあけたキッチンペーパーで落としぶたをし、弱火で15分ほど煮たら取り出し、米は洗い落とす。
下処理法4:きゅうりは種を取ってパリッと食感を生かす
「きゅうりを縦半分に切り、スプーンで真ん中の種部分を削ぎ取ることで水っぽさがなくなり食感が変わります。きゅうりの炒め料理に試してほしい格上げワザです」(本)
きゅうりと鶏胸肉の甘酢炒め
【作り方】
【1】きゅうり1本は縦半分に切り、スプーンで種をこそげ取り1cm幅のななめ切りにする。
【2】鶏胸肉1枚(250g)は1cm厚さにそぎ切りし、塩・こしょう各適量を振って小麦粉適量をまぶす。
【3】フライパンにサラダ油大さじ1を中火で熱し、【2】の両面に軽く焦げ目が付くまで焼く。
【4】【1】を加えて1分加熱し、たれ(しょうゆ・米酢・ごま油・砂糖各大さじ1)をかけて絡ませる。
下処理法5:なすに油をなじませてレンチンし揚げなす風に
「なすを調理前に油でコーティングすることで水分が蒸発しにくくなり、色が抜け出ないので変色を防ぐ効果も。揚げるより手間なしで油も少量ですみます。レンチン後はまるで素揚げしたなす。麻婆なすや味噌煮などは、この下処理後に作るとラク!」(m)
【作り方】
なす3本を乱切りし、油大さじ1程度をまぶし、電子レンジで3分ほど加熱する。
下処理法6:なすは塩と砂糖をもみ込んで油の吸いすぎを防止
「なすは調理中に油を足すとどんどん吸い、調理後しばらく経つとなすから油が出てべちゃっとした仕上がりになります。それを防ぐには、切ったなすに塩と砂糖をひとつまみまぶしてもみ込み10分おくだけ! 水分が抜けて身が詰まり、油の吸収を妨げます」(食)
教えてくれた人
本多理恵子さん/料理家
鎌倉で累計1万3000人以上が参加する人気料理教室を主宰。著書に『ごはん作りの絶望に寄り添うレシピ』(エムディエヌコーポレーション)など。
makoさん/アイデア料理研究家
栄養士、フードコーディネーター。著書に『家政婦makoの魔法の時短テクで 簡単すぎるハレの日ごはん』(エムディエヌコーポレーション)など。
食事処さくらさん/料理系YouTuber
フレンチレストラン勤務後、YouTubeチャンネルを開設(登録者数34.4万人)。著書に『ごはん作りが最短で上達する 魔法のコツレシピ』(KADOKAWA)。
撮影/玉井幹郎、宮司信吾 取材・文/近藤鈴佳
※女性セブン2022年10月13日号
https://josei7.com/
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