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健康

肩コリはもんでもダメ!筋肉を芯からほぐす「のびちぢみ体操」3選【理学療法士監修】

「仕事や家事でカチコチになった体をほぐそうと、もんだりストレッチするのはかえって体に良くない」と、理学療法士の山内義弘さんは語る。改善するには、筋繊維を細胞レベルでほぐすことが大事だという。そこで山内さんが考案したのが「のびちぢみ体操」。筋肉の深層部までアプローチでき、筋繊維を細胞レベルでほぐせるという。 そのやり方を教えてもらった。

もむ&ストレッチは症状を悪化させる!?

「こって硬くなった筋肉をもんだり、ストレッチで伸ばそうとする人が多いですが、実は間違い。かえって症状を悪化させます」

 と警鐘を鳴らすのは、理学療法士の山内義弘さんだ。

「硬くなった状態の筋肉をもむと、筋繊維は壊されないようにと守りに入り、より硬くなってしまうんです。それに、皮膚の外からもんでも、表面がほぐれるだけで、筋肉やさらに奥のインナーマッスルまで届かず、あまり意味がありません」(山内さん・以下同)

 ストレッチも、こりのない健康な状態で行うならいいが、筋繊維まで固まった状態の筋肉を伸ばしても、表面だけが伸びて、奥の筋肉は硬いまま。無理に伸ばせば、縮む力が弱まり、バランスの悪い筋肉になってしまうという。

「のびちぢみ体操」で細胞レベルで筋肉をほぐす

「筋肉の働きが低下すると、関節が固定できなくなり、体への負担が増します。こりや痛みを取るには、もむのでもストレッチで伸ばすのでもなく、筋繊維を細胞レベルでほぐすことが大事。そのためにおすすめなのが、私が考案した“のびちぢみ体操”です」

「のびちぢみ体操」は、理学療法・運動生理学の観点から生まれたもの。筋肉に軽い負荷をかけながら“のばす&ちぢめる”動きをセットで行うことで、筋肉の深層部までアプローチでき、筋繊維を細胞レベルでほぐせるという。

「短時間でも効果が出やすいのが、この体操の特徴です。手や足の重みを感じながら、ゆっくり筋肉を“のびちぢみ”させてみてください」

 筋肉が硬くなる理由としては、長時間同じ姿勢でいるため、というのも挙げられる。体の一部に圧がかかり、そこに栄養分が行き渡らなくなるからだ。50才以上の人は、この体操を続けるとともに、30分以上同じ姿勢でいないよう気をつけよう。

 下記項目で100才まで元気に動ける体作りのための3種の「のびちぢみ体操」を紹介する。

「ののびちぢみ体操」でコリをリセット!

<1> ひざののびちぢみ体操

【1】片方の脚を半歩前に出しひざを軽く曲げる

 鍛えられるのは、内側広筋、外側広筋、中間広筋という、ひざの皿を動かすときに使う太ももの筋肉。片方の脚を半歩前に出し、ひざを軽く曲げる。前の脚の足首を90度にキープしておくと、太ももの筋肉だけにアプローチできる。

【2】前の脚のひざを伸ばして体重をのせる

 前の足首は90度に固定したまま、ひざを伸ばし、重心を前の脚に移動させる。このとき、前の脚のすねから下は動かさないよう注意すること。太ももの筋肉を意識しよう。

<NG>

【3】5秒かけてもとの姿勢に戻す

 前の足首の90度を崩さないよう注意しながら前脚のひざを曲げ、5秒かけて体重を後ろ脚に戻す。ゆっくり戻すことで、太ももの筋肉がほぐれる。5回繰り返し、逆の脚も同様に。

<NG>

<2> 肩まわりののびちぢみ体操

【1】両腕を45度に開いて伸ばし手首はだらんと力を抜く

 背中中央の筋肉をほぐす体操。腕を体の中心軸に対して45度ぐらいに開く。ひじは伸ばし、腕の高さは床と平行に。手首はたらす。

【2】肩の力は抜いたまま両腕を素早く上げる

 肩がすくまないよう注意しながら、両手を素早く上げる。手首はたらしたまま。このとき、背中の中央の筋肉が収縮しているか意識を。

【3】5秒かけてゆっくり腕をおろす

 手首をたらしたまま、腕の重さを感じながら、ゆっくり【1】の状態まで腕をおろす。【2】→【3】で1セット。これを10セット繰り返す。

<3> お尻ののびちぢみ体操

【1】ひざを伸ばしたまま足首を内側に回す

 いすに浅く座って骨盤を立て、片脚を少し体の外側に伸ばす。ひざを伸ばしたままかかとを床につけ、足首だけ反時計回りさせる。

【2】脚の力を抜くと反動で時計回りになる

 足首を時計回りにも回す。【1】と【2】を各10回ずつ行うと、お尻の奥にある深層外旋六筋が鍛えられる。反対側の脚も同様に。

【3】坐骨神経痛の人は脚を正面からやや内側に伸ばす

 坐骨神経痛の人は、前に出す脚を正面から少し内側に伸ばしてから、【1】【2】と同様に行う。各10回ずつ左右の脚で繰り返す。

教えてくれた人

山内義弘さん/理学療法士

YouTubeチャンネル「腰痛・肩こり駆け込み寺【山内義弘】」の登録者数は35万人を突破。主な著書に『コリと痛みの駆け込み寺!のびちぢみ体操』(KADOKAWA)など。

取材・文/鳥居優美 イラスト/ico.

※女性セブン2022年8月18・25日号
https://josei7.com/

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