樹木希林さんも… 高齢女性が恐れるべき「死を招く骨折」とは
厚生労働省の発表によると、日本人の死亡原因の1位は「がん」である。そのがんと14年もの間、上手につきあってきた樹木希林さんの日常は、大腿骨骨折をきっかけに一気に変わってしまった。高齢女性が本当に恐れるべき「死の病」とは――
逝去から時間が経っても、悲しみの声が途切れない。9月15日に亡くなった樹木希林さん(享年75)について、和田アキ子(68才)が「訃報を聞いて手が震えた。ショックでした」とラジオ番組で明かせば、ビートたけし(71才)はテレビ番組で過去の作品を振り返り、「じゃんじゃん、いい女になった。若いときより、今の方がいいね」と名女優を偲んだ。
9月30日には東京・南麻布の光林寺で葬儀が行われ、喪主を務めたのは、約40年別居しながら強い絆で結ばれた夫の内田裕也(78才)だった。
病状を急変させた「大腿骨骨折」
2004年10月に乳がんを発症してから14年間、樹木さんは転移を繰り返すがんと気丈に闘った。今年5月には、出演した『万引き家族』のカンヌ国際映画祭公式上映のため現地を訪れ、元気な姿を披露していた。
「樹木さんは全身がんではあったけど、治療により進行は抑えられていました。あと数年は大丈夫だとみんな思っていたのに、最後の1か月の病状の悪化が想像以上だった」(樹木さんの知人)
彼女の人生の転機となったのが、8月13日だった。その日、樹木さんは知人宅で転倒して左大腿骨を骨折し、手術を受けたのち、一時的に危篤状態になった。以降、彼女は坂道を転げ落ちるように旅立ちの日を迎えた。
詳しくは後述するが、高齢者にとって大腿骨骨折は、「死を招く病」である。だが同様の骨折をしても、元気に暮らす高齢者もいる。その筆頭が黒柳徹子(85才)だ。黒柳は昨年8月に足をぶつけて右大腿骨を骨折し、手術を受けた。
「その後の回復は順調で、転倒して約1か月後には車いす姿で舞台に出演。『徹子の部屋』(テレビ朝日系)にも元気に出演を続けています。現在は自分の力で歩けるまでになり、”全快”しています」(黒柳の知人)
同じ大腿骨を骨折しながら、全く違う結果となった樹木さんと黒柳。しかも年齢は黒柳の方が10才も上である。ふたりの明暗を分けたものは何だったのだろうか。